第158話 面白い小説のレシピ


 小説が書きたいけれど、そのためにはプロットを作らないとー、ということでプロット作成にいそしんでいる今日この頃なのですが……。



 ふと、最近の活動を振り返って、果たして自分は本当に面白い小説を書いてきたのか?と疑問に思いました。疑問に思った、というのは違いますね。断言します。ぼくは面白い小説を書いていません。書けていません。

 だから、もっともっと面白いものを書かなければ。そんなことをいま考えています。



 この一年ばかりの間に書いた小説は、『暴虐のケダモノ・アーマー』『宇宙海賊☠キャプテン・モーモー』『電影竜騎士団404NotFound接続に不具合あり』の三作。

 『暴虐のケダモノ・アーマー』は戦略プロットに不備があったし、『宇宙海賊☠キャプテン・モーモー』はもう少しミッド・ポイントを意識すべきでした。そして、『電影竜騎士団404NotFound接続に不具合あり』は、どんでん返しを意識しすぎて、物語に吹き込む面白さが足りなかったかなー、と思ってます。


 とりあえず、つぎに書く長編は、もう一段ギアを上げたものにしたい。出来うるならば、もう自分でも、「これ以上は書けないよ!」ってくらいの小説を書きたいと考えてます。



 で、その方法をいろいろ考えたのですが、結局長編小説の面白さはプロットの面白さであろう、と。そもそもが面白くない話を、どんなに上手に描いても、それが面白い話になりはしないだろう、というのが結論です。



 もちろん、人によって小説の作り方は違うでしょうから、これはあくまでぼくの作り方レシピなのですが……。



 ということで、その面白い小説の作り方、ぼくが現行手に入れているレシピをまとめてみようと思います。




 まず、キャラクター。

 え!? プロットじゃないのかよ?って思いました?


 はい、プロットではありません。まず、キャラクターから作らないと長編は書けません。ただし、ざっくりどんな話で、どんな面白さを封入するかが決まっていないと、そこに最適のキャラクターは決められません。が、完全に合致していてもつまらない。


 現行ではこのキャラクターは、対照的な2人というのが最強であろうと、ぼくは考えています。

 物語にミスマッチで、対照的な2人。まずはそれを決めます。



 そこがざっくり出来たら、今度は戦略的プロット。


 大まかな話を作ります。ここには、物語の顔が途中で変わるミッドポイントと、話が一番盛り上がるクライマックス、そしてその手前にあるどんでん返しを仕込みます。


 前半と後半で物語世界の価値観をガラっと変えてしまうミッドポイントは重要だと思いますが、それと同時にミッドポイント以降に入れるどんでん返しも必須だと、今現在のぼくは考えているのです。


 ミッドポイントはストーリーを単調にしないため。どんでん返しは単純に読者を楽しませるため。ラストにもどんでん返しを少し入れると、もっと楽しいと思います。




 ぼくはいま、面白い長編小説は、このレシピでいけるんじゃないかな?と考えているんです。

 が、いざプロット作る段になると、物語としての「流れ」とか「整合性」とか「バランス」とかも考えなきゃらないんで、難しいですよね。

 なにごとも、理想通りにはいきません。



 そんなことを考えつつ、現在進行しているプロットは、『ときめき☆ハルマゲドン』の第5章と、『ピーチ・プラスワン』です。『カーニヴァル・エンジン戦記4 赤い悪魔』は今は後回しかな?



 ぼく自身は、長編小説を書くときはいつも、どこに出しても恥ずかしくない、絶対に面白い物を、と考えて書いているのですが、現実は厳しいです。いつも何か足りない。

 『とき☆ハゲ』と『ピープラ』のプロットが、ぼくが考えているような面白い物になってくれればいいのですが。




 よく、テレビでお料理の先生が、「いつも、どんなことを考えながら料理しているんですか?」と訊かれて、こう答えていますよね。


「美味しくなぁれ、って考えながら作っています」


 今のぼくも、おなじかなー。


 面白くなぁれ。


 そんなことを考えながら、プロットを作っています。



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