第150話 博多のラーメン
飛行機が夕方からなんで、博多駅周辺でラーメンを食べることにしました。
朝ホテルで食べた朝食が、水炊き定食で、これが当然昼にはまだ消化されていないのですが、ラーメンくらい食べられる。なにせ、ぼくは「ラーメン二郎」を制覇した男だから。ステータスに「ラーメン二郎スレイヤー」があるはずだから。
まあ、冗談はさておき、有名なとんこつラーメンを探して、『麺屋台 た組』さんへ行きました。有名かどうかはわかりませんが、なんか店構えがおいしそうでした。
とんこつラーメンを単品でたのんで、麺は、かためん。600円。
でてきたラーメンをひとくち啜って、
「くさっ、くない……」
とんこつ特有の臭みがあるんですが、臭くないんです。臭くない臭み。なんか武術の「回って回らず」みたいです。禅問答に近いけど、まったく臭くない。くさみが、まるでBGMのようにあるかないかで存在しています。
やっぱり騙されていた! なにあの、東京で出されている、「くっさい豚骨ラーメン」は! 博多の人は、あんなん食べてないじゃないか。
すげー、おいしかったです、博多ラーメン。とんこつって強く主張するものかと思ってたんですが、博多のとんこつはあくまで裏方に徹する、いわばプロの臭みでした。
それとも、臭くないのは、あの店だけなのでしょうか。
そののち、博多駅の地下にある酒の立ち飲みの店に入りました。もうすぐ閉店してしまうらしいです。博多のお酒を一杯だけ頂きました。
一番人気は、「
濃厚だけどすっきりした味でした。なにより、九州の酒といえば焼酎ばかりで、日本酒はなかなか関東ではお目にかかれません。日本酒もあるんだ、という驚きがありました。
しかも、ネーミングが……。直木三十五かよ、と。
そしていま、博多空港につきまして、これを書いています。
すでに手荷物は預けてありまして、いたって軽装。
どうでもいいですけれど、預ける荷物にパソコンとかモバイル・バッテリーとか入れていては駄目なんですね。一昨日知りました。
荷物を預ける時に、JALのお姉さんに「傘は機内に持ち込んでいいんでしょうか?」と訊ねたら、お預かりしましょうか?とコンビニで買ったビニール傘にタグつけてベルトコンベアに乗せてくれたんですが、JALのお姉さん、サービスいいんだか冗談きついんだか、よく分からんです。ビニール傘って普通、タグ付けて預けるものなのでしょうか?
荷物を預けてから気づいたのですが、雨だったので雪駄に足袋だったんでした。靴いれたまま荷物あずけちゃったので、このまま雪駄で飛行機に乗ることになります。
ちなみに、上は革ジャンです……。
でも、ひとつ学習しました。
雨の日は、靴より、雪駄に足袋の方が、足が濡れない、と。
一応これから飛行機乗って帰るんですが、家には行きません。
イガラシに「家に泊まれ」と誘われてます。イガラシ夫婦とDVD視ながら大分の焼酎を飲むことになると思います。ちなみに、イガラシの家には猫が2匹います。
そのうちの一匹が、人見知りで、知らない人には絶対に近寄らないらしいんですが、なぜかぼくの膝の上には乗ってきます。それをイガラシが友達に写真送ったら、イガラシのネコ好きの友達が激怒してました。いえ、ぼくが悪いわけではないのですが。
ぼくはなぜか、猫にはモテます。犬にはそうでもありません。
とりあえず、九州への旅。
もうすぐ終わります。
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