第115話 とりあえず、呑む
フグひれ酒を飲んじゃったんですが、やはりそれだけでは中途半端ですね(当社比)。
ちょいと呑みにいきました。
事前にリサーチしていた酒屋の角打ちにいこうと思ったんですが、なんかやってない雰囲気。
仕方ないので、浅草の老舗バー、「神谷バー」にいってきました。
神谷バーの一階は、昔ながらの食券スタイル。みなさん、信じられますか? むかしは、「デパート」の「レストラン」も、この食券スタイルだったんですけど、いまや完全な絶滅状態です。
レジで食券買って、好きなテーブルについていると、メイド服着たおばあちゃんが来て、食券をもぎり、半券をのこして去っていきます。
やがて、運ばれてくるお酒。
ギネス・スタウト(瓶)と電気ブランをオーダーしました。
瓶のギネスは、かなりなスタウトです。通常のギネスより、苦い印象ですね。
そして、電気ブラン。
神谷バーの代名詞とも言うべきカクテイル。ブランデーベースのリキュールなんでしょうか。詳しいレシピは知りません。
ちなみに、電気は、実は関係ないです。ビリビリくるということから、当時の最新テクノロジーである「電気」の名前を冠しております。まあ、一時期の「バイオ」とか「ハイブリット」とかとおんなじですね。
東京は本日、あいくにの雨模様。降ったりやんだりです。
軽くいっぱいひっかけて、宿にもどり、お風呂に入りました。
今回の宿は、天然温泉です。
このエッセイの読者さんは、どれくらいの方が関東の人なのでしょう?
東京は都会なんですが、じつは温泉があります。そして、極めて珍しい温泉なんです。
東京の温泉は、黒湯といって、そばつゆのように真っ黒なお湯なんです。お台場の大江戸温泉なんかも、この黒湯ですね。
たまに、東京の銭湯にも天然温泉があって、浅草では「蛇骨湯」という銭湯が有名でしたが、残念ながら無くなってしまいました。もちろん、ここのお湯もコーヒーのように黒かったです。
もちろん、今回止まったお宿のお風呂も、天然温泉なので黒湯です。
ただ、ここの浴場は地下なんです。神田だと最上階で露天風呂もあるのですが、こちらでは露天というより、吹き抜けで外の風が入ってくる程度ですね。それでも、黒湯の温泉であることにちがいはないです。
ぼくが入ったとき、他のお客さんが何人かいました。いずれも頭の白くなった年代の方ですが、失礼ながら、お風呂の入り方を知りません。同じ日本人として恥ずかしい限りであり、また嘲笑の対象でもありますが、いい歳して、風呂の入り方も知らない、和服の着方も知らないは、今に始まったことではありません。
そうだ、「風呂の入り方」というエッセイを今度書こうと思った次第です。
ちょっと、お腹が減ってきたので、ふたたび着替えて外出してきます。書き忘れましたが、外出は、今回は麻の着物(藍染め)に、薄紫の帯です。
好天だったら、良かったのですが、ちょっとそこだけが、残念です。
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