第94話 つぎのプロット


 新しい作品のプロットに入る手前ですこしためらっています。


 次の話は、予定では、以前ちらりと語ったワンとピーチの話です。これはすこし語ると長くなるのですが……。



 もうずいぶん昔に、映画『ダイハード』が流行した後、劇場映画で「テロリストが〇〇を占拠する」というタイプのストーリーが量産されました。それが飛行機だったり、戦艦だったりと、ネタはいろいろで、当時のぼくは、「じゃあ、テロリストがいろいろなものをつぎつぎと占拠するストーリーを作ろう!」と思ったわけです。極めて漠然としてますが。



 主人公は記憶を失った少女。その正体は暗殺者なのですが、ここは漠然としています。で、相棒に狼男を考えました。なぜ狼男なのかというと、リアリティーを下げるためです。


 フィクションの要素を主人公に入れておけば、設定や戦闘に関して、事実と違うことを書いても問題にならないと思ったからです。


 

 たとえば、テロリストが原発を占拠するという話を書いても、原発に関する正確な記述を求められない。つまり、きっちり資料集めしなくてもいい、というわけです。なにせ、狼男が出てくる話なんですから。



 つまり、『ダイハード』みたいな話は話でも、フィクション性の高い、ちょっとズル出来て自由に書ける物語を、と考えたわけです。つまり、ネガティブな理由でした。


 これがもう何年前でしょうか? ちょっと分からないのですが、二十年以上前の話だと思います。当時でもう題名は決まっていました。

 で、たぶん十年以上前にいちど書き始めて、途中でがっつり止まっています。

 それっきりでした。





 さて、前回、本屋の本棚に穴を穿つ物語を書きたいと宣言したわけですが、まあ、ちょっと大風呂敷を広げていますが、この辺りの経緯は前回語った通りなのです。


 で、それとは別にちょっと前から考えていたことがあります。考えていたというか、感じていたのですが、いつもアニメを見ていて思うのですが、『ルパン三世』ってありますよね。あれ、誰でも知っています。

 が、あのタイプのアニメは案外少ないとおもいませんか?



 むかしある作家が編集者に「じゃ、第一話はルパンみたいな感じで」と言われたという話を聞いたことがありますが、このルパンはもちろん、アルセーヌではなく、三世の方でしょう。

 『ルパン三世』は有名で、だれでも知っているにもかかわらず、あのタイプの話は少ない。アニメでは結構ありますが、小説で「ルパンみたいな」話はあるんでしょうか? 少なくとも、ぼくは知らないです。


 そこで前々から『ルパン三世』みたいな話を書きたいものだと思っていたのですが、ちょうどいい機会だから、このワンとピーチの話を「ルパンみたい」に書いてみようと思ったのです。


 タイトルは最初から決まっています。まだ企画段階ですので公開はしません。仮タイトルとして、『ピーチとワン』とさせてください。




 で、現在アイディア出し、ネタ出しの段階です。そして、なによりも大事な作品のカラー決め。すなわち、「どんな話にするか?」を決めないとならない。


 キャラクターの作り方、ストーリーの作り方にはいろいろあると思うのですが、ぼくが有効だと思う方法は、「場面を思いつく」ことだと思います。


 作品でいうなら、「その一場面」。キャラクターでいうなら、「その一言」。


 その一瞬のイメージから、物語やキャラクターが生まれてきます。


 いまはその、一瞬のイメージ待ちをしています。


 面白い話が書けるといいんだけど。

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