第84話 吾輩はラノベである
たぶんずいぶん前に書いたと思います。ラノベを書こうという話。
高校生が書いた短編小説を読んで、思いついたラノベのアイディア。
高校生が上手く書けなくて、でもそこには、三つのキーワード、「息のつまる現実から抜け出したい」、「変身したり、空を飛んだりしたい」、「何をしたいのか見つけたい」が含まれていることに気づいたぼくは、じゃあ代わりに書いてあげようと考えたのです。
そして出したアイディアが以下。これは初公開ですね。
「AIが人間のために奉仕する街で、主人公はパワードスーツを着て、暴走したAIを破壊する話」
これだけ聞くと、それ『仮面ライダー・ゼロワン』のパクリじゃんと感じる人もいるでしょうが、ちがいます。なにしろゼロワン、放映前のアイディアですから(笑)。
まあ、具体的に世界観は全然違うのですけどね。
舞台は近未来。AIが人々の生活をささえ、AIなしではなりたたない未来。その社会で、暴走したAIを破壊するのは高校生で、パワードスーツ着用。空も飛べます。
5個くらいのストーリーアイディアも出し、主人公のキャラクターはまだ決められないから、あとにして話を詰めようと思いました。が、ここでぼくは自分にストップをかけます。
「これじゃあ、小説は書けない」
みなさんお気づきでしょうか? 絶対的に足りないものがあります。ここをすっ飛ばして小説を書くのは無理なんですねー。
それは面白さです。
世界観、舞台設定、あるいはキャラクター(ここではまだですが)、ギミック、小道具。これらをいくらそろえても、面白さが欠けていると、小説は、いえ少なくとも面白い小説は書けない。
思うに、かなりの人が、書けば面白くなるとか、書いて面白くするとか、小説の構造と面白さを切り離して考えているんですが、面白さって、それ構造だと思うんです。
つまり、「面白い構造」の小説に、書き始める前からすでになってないと、あとから頑張って面白くするなんてそんなこと無理だし、それが出来るなんて幻想だと思うのです。
で、この「設定・世界観」の小説で、面白さはどうしようか?とずーっと考えていました。なかなか思いつかなくて、これは無理かな?なんてちょっとあきらめつつ、脇のキャラを作っていました。
で、作ったのがヒロインで、髪が長くて、ジェットブーツとジェットグラブをつけた女の子。ジェットブーツとジェットグラブは、『ファイナル・ジ・アース』のきいちこの装備ですが、あれを流用して別のキャラを作ろうと。
一応ヒロインは二人用意していて、書いたプロット・ノートには、「非人間的なヒロイン」つまり感情のない女の子ですね、ともう一人二重人格的優等生というのが書いてあります。で、非人間的の方に、ジェット装備を……とか考えていたあたりで、はっと思いつきました。
「そうだ、『ベストキッド』にしよう!」
意味わからないと思いますが、これでいけます。話はできました。あとは、名前考えないと。
……と、思ったのが少し前のことでした。
あとになって気づきました、もうひとつ足りない、と。
それは、売れる要素です。というとなんか下世話ですね。では表現を変えましょう。それは、人の目を引くアイディアです。
これどんな話かな?と思った読者の人が、「へー、面白そう」と思っちゃうような新しい何かがないと、結局読者はつかないと思うのです。
そして、それをやっと思いつきました。たぶんこれで行けるんじゃないかな?と思っています。
この作品は、高校生向けに書くライトノベルです。
アニメの長編映画みたいなものを意識して作り上げる予定でいます。
連載は、応募するコンテストが読者選考のあるものなら、それに合わせて公開する予定。
楽しんで連載できれば、良いなと思っています。
ただし、まだ、題名も決まっていません。
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