第76話 雲江、『トップをねらえ!』を観たってさ


 みかんあきさんのエッセイ『萌えよ、ロボ魂!!』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054891157902)の中で、アニメ『トップをねらえ!』が紹介されていたもんだから、久しぶりに観てみました。DMMの動画で。



 これは1988年の作品で、OVAです。つまり、レンタルビデオで出された作品ですね。

 もちろん発売当時にレンタルして観たことあるんですが、久しぶりに観てみましたよ。



 で、ですね、まず題名です。このタイトルのネーミング方法。既存の作品2つをくっつけるという方式です。映画『トップガン』とアニメ『エースをねらえ!』をくっつけています。

 この方式で有名なのが、サザンオールスターズのデビュー曲『勝手にシンドバット』。モトネタの『勝手にしやがれ』(沢田研二)と『渚のシンドバット』(ピンクレディー)より、くっつけたパロディーの方が有名になっちゃってるところも同じです。


 第1話なんですが、内容はほぼ『エースをねらえ!』なんです。それをロボットアニメでやって、『侍ジャイアンツ』や『柔道賛歌』みたいな特訓をロボットでやるというギャグを大真面目にかましてます。


 当時レンタルしてきて観ていたぼくの隣で、のぞき見していた妹が大笑いしていたことを思い出します。


 つまり、パロティーとギャグ、それを大真面目にやって、テンプレとオマージュ、リスペクトを多用しています。

 たとえば、コーチは、『エースをねらえ!』の宗方仁であり『スチュワーデス物語』の教官であり、でもよく見ると片足ひきずって杖ついているので、思いっきり『ウルトラマンレオ』のモロボシダンでもあるのです。


 あの第1話は、当時すごくよくある話のパターンを踏襲しつつ、それをロボットアニメでやるというギャグをかまして、オタクではないうちの妹ですら笑ってしまうような、当時の誰にでも分かりやすい第1話に仕上げてあるのであーる。


 つまり、当時の誰が観ても、引き込まれる、極めて間口が広い内容なのであるわけですね。



 ところがそれを、今の人が、『エヴァンゲリオン』の庵野監督がむかし作った作品としてみると、ちょっと印象が違ってくる。

 つまり、「沢田研二だれそれ?」で「ピンクレディーは名前くらい知っている」という人が、『勝手にシンドバット』と聞いて、「ああ、サザンのデビュー曲ね」となるのと一緒です。



 だからあの稲妻キックを見て、なぜ空中で伸身ひねりの宙返りをするのか分からない人、つーか『ウルトラマンレオ』を知らない世代が観ても、あの第1話は、きっと読み解けないだろうなーと、思いました(笑)。


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