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みなさんお騒がせしました

第38話 平成仮面ライダーを浅く語る➂『仮面ライダー ブレイド』


 やはり平成仮面ライダー・シリーズで、この第五作目の第1話以上の名場面はないんじゃないでしょうか?




 第1話の名セリフです。(開始22分)


 剣崎の伝説の名セリフ。それがこれ。



「オンドゥルルラギッタンディスカ!」



 たぶん台本には、「本当に裏切ったんですか?」と書かれていたと思うんです。


 ところが主演の椿隆之さんの滑舌が悪くて、どうにも何言っているんだか分からない。


 第三話では、こうです。


 絶望に打ちひしがれた剣崎が、一面真っ白な雪原の中で、絶叫します。


「嘘だぁー! ドンドコドーン!」


 たぶん、台本には「嘘だ、そんなこと」と書かれていたのではないか、と思うのですが……。




 おかげで、当時この番組を見ていた人たちの間で祭りが起きます。


 平成ライダー1作目の『仮面ライダー クウガ』の敵グロンギ。奴らがしゃべるグロンギ語に引っ掛けて、この出演者たちの滑舌の悪さを揶揄して、「オンドゥル語」というものが作られました。

 『仮面ライダー ブレイド』を観ていない人も、もしかしたら『ニコニコ動画』のタグにオンドゥルというものがあったのをご存知かもしれません。


 当初、東映の公式掲示板に「オンドゥル語」が聞き取れませんと書き込んだりすると、速攻削除されていたそうです。

 が、時は流れて平成も晩年。

 すこし前に『仮面ライダー ブレイド』のDVDが発売されたのですが、そのときの販売キャッチコピーはこれ。


「オンドゥル全開!」


 おいおい。




 「仮面んライダーブレイド」には、もうひとつの特徴があります。それが、「グダグダ」です。いわゆる、グダグダな展開を揶揄して、当時のネットの掲示板にはこの表現が飛び交いました。


 当時ブレイドを見ていたぼくも、この展開のグダグダさには辟易し、「これなら、ぼくが書いた方がマシなんじゃないか?」と、仮面ライダーの小説を書きました。

 機会があれば、公開したいところですが、仮面ライダーの二次小説は禁止でしたね。でもこれ、メタ展開だから、いいんじゃないか?と最近は思っていたりします。



 「仮面ライダー ブレイド」の作品自体の出来は、ぼくの評価では低調だったと思います。あまり面白くなかった。それゆえ、ファンはオンドゥル語などで、盛り上がるしかなかったのではないでしょうか?


 お母さん需要をあてこんで、イケメンばかり四人もライダーを登場させたあざとい戦略も鼻につきました。四人のちょっとBL的な絡みも。



 で、後年「仮面ライダー ディケイド」に剣崎役で椿さんが出演されて、久しぶりの変身シーンを披露。

 が、ベルトの操作で突っかかり、友達のライダー好きが怒る怒る。


「一年間やってきていて、いまここで引っかかるとはどういうことだ!」



 内容自体は低調でしたが、それ以外では十分楽しませてくれた冥作でした。

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