第十話 熊
名はもうよいだろう。
最初は何もない地であったが、いつの間にか一本の道になっておった。
それにつられて、動物が顔を見せるのが、
しかし、こやつもこの
春は悲しゅう
冬と申したが、当時は寒さなぞ無くてな。
動物も眠ることなかろう。
ある
少しして、何処からか
道から姿を現すそやつに、泣きながら熊はこう申した。
「会えず死してこの首抱かれ、桜の下で舞う者に失われた。」
記憶の端で、ソレが浮かぶのだ。
そやつは呟く。
「やっと届くが遅い声、しかしこの身を捧げて
それには何と申したら良いのかと思うておると、そっとそやつは熊の手をとるのだ。
「今、あんたを忘れはしないと誓います。きっと今度は間に
まるでそやつの言葉にあらず。
わかっておる。
そやつでない何者かが
自然にほぅっと息が流れた。
その手に手を重ねて申す。
「すまなかった。ありがとう。」
そやつは心底満足気に笑むが、
それからというもの、今度はそやつが笛を吹き、
ある
共にこの地を守ろうと、立ち向こうたのだ。
そして加えて励ます声をくれ、
ある年の冬、どちらも並んで倒れた。
「次の世は…どんなところであろう……?」
「どんな世であっても……あんたと共に。」
今度は同時だったのだ。
そうしても、
この年の冬の
触れれば、ゆるりと
後にそれは雪と名付けられ、呼ばれるようになった。
その雪見やれば、ほんのりと
共に見るモノ同じであれど、感ずるモノは異なると聞く。
しかし、出来れば共に歩む者とは、同じモノを見、同じモノを感じたいものだ。
欠けるとならぬ。
そのような者と何度もこうして
わからぬが、今ある
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