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「メテオラくん。調子はどうですか?」そう言ってアルルさんが病室に顔を出した。
アルルさんは森で唯一のお医者さんで、ニコラスのお母さんでもあった。
ただ、それにしては親子であるアルルさんとニコラスには二つの大きな違いがあった。それは髪の毛の色と瞳の色だ。
ニコラスは黄金の民の特徴である黄金色の髪と青色の瞳をしているのだけど、アルルさんは黒髪と栗色の目をしていた。アルルさんは黄金の民ではない。
つまり、ニコラスは黄金の民のハーフなのだ。
「大丈夫です。もともとどこかに大きな怪我をしたわけではありませんし……」とメテオラは言った。
魔法学校で起こった異例のアスファロットとの戦いのあとで(そのことはその場にいた魔法使いたちだけの秘密となった。あのワルプルギスさんでさえ魔法新聞の記事にするとは言わなかった)一日だけ休息を許してもらったあとで、先生たちの部屋に呼び出されてこっぴどく怒られた。
大体のことはマシューと、それからシャルロットが先生たちに事情を説明してくれたのだけど、それだけでメテオラたちの行為が許されたわけではなかった。
しかし、アスファロットの脅威を未然に防いだというメテオラの功績により(メテオラたちにはアスファロットの脅威という言葉の意味する具体的な内容は教えてもらえなかったけど)一応、ご褒美はないけど、その罪は許してもらえることになった。
そして、今まで通りの魔法学校の生活が始まる、ということになったのだけど、すぐにすべてが今まで通りというわけにはいかなかった。
まずメテオラは診療所に押し込まれてしまった。
そこで二週間の休養を言い渡されてしまったのだ。
入院している間、いろんな魔法使いさんがお見舞いにきてくれた。毎日きてくれるマグお姉ちゃん、同じようにここは自分の家でもあるので、いつも遊びに来てくれるニコラス。お姫さまの公務の合間をぬってお見舞いにきてくれるアネット。
デボラたちもきてくれたし、ワルプルギスさんもきてくれた。メテオラはそのとき、約束通りにワルプルギスさんと握手をした。
そのあとで、特別取材も受けた。それはなかなかに恥ずかしい経験だった。
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