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なかなかに充実した忙しい魔法学校の一年間の行事だけど、これらの正式な予定に加えてメテオラたち今年見習い魔法使い卒業試験を受ける同期の九人は(太陽組は試験免除だけど)魔法学校で噂になっていた魔法学校の幽霊を捕まえるという独自の行動を同時に行っていた。
さらにそれだけではなく、月組教室のデボラ、アビー、マリンの三人は幽霊騒ぎのごたごたと魔法の森の新聞記者、ワルプルギスさんの暗躍により、今年から創設された魔法学校の新聞部にも属している。
月組が部活動をやるのなら、と言って、太陽組のマシューは、メテオラ、ニコラス、アネットの星組たち三人に、マシューの魔法樹の苗の世話のお手伝いをするという理由で、新しく魔法学校に園芸部を立ち上げてみてはどうですか? と提案した。
その提案をメテオラたちは受けた。
顧問はマシューとの関係から、マグお姉ちゃんではなくて、魔法植物学専門のメイプル先生になった。
幽霊騒ぎも終わり、長期休みを終わって、新しい学期が始まって、……と、こうして改めて考えてみると、メテオラには今年、やらなければいけないことや、自分が新しく挑戦したいことがたくさんあった。
去年までなら、辛いと感じたかもしれない。
でも、今年はちっとも辛いとは感じない。それはきっとニコラスやアネット、マグお姉ちゃん、デボラにアビーにマリン、マシューにシャルロット、……それにモリー先生、それからほかにもたくさんの森の魔法使いの仲間たちがメテオラのそばにいてくれるからだと思う。
メテオラはみんながいてくれることが本当に嬉しかった。
みんなも僕と同じ気持ちでいてくれたら嬉しいな、とメテオラは日記に書いた。
メテオラたちの進む魔法使いへの道はまだまだ先は長くて、見習い魔法使い卒業試験に合格するという目的地は、今のメテオラの立っている場所からはまるで夜空に輝く星々のようにとても遠いところにあった。
だからメテオラはその道のりを走りきるためにもっと勉強をしてたくさんの新しい知識を吸収して、それからもっと運動をして、今よりも少しでも体力をつけなくてはいけないのだ。
そうやって勉強をして、体力をつけて、森のみんなが僕を少しくらいは頼りにしてくれるような魔法使いにならなくてはいけないのだ。
……とメテオラはアルルさんの診療所の病室のベットの中で思っている。
現実はなかなかに厳しいのもなのだ。
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