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「こら! や、やめろ!!」と女性の魔法使いさんの声。
その声を聞いてメテオラにも、その女性の正体、つまり偽物の幽霊の正体がだいたい想像できていたが、やっぱりその正体は魔法学校の赤毛のメイドさん、……べべさんだった。
「やはりべべさんでしたか」とマシューが言う。
「やっぱりあんただったのね」とワルプルギスさんが言う。
それからべべさんの暴れる音と、ぱしゃ、ぱしゃという写真機の音がする。
「あ、やめろ! 写真をとるな!!」と言うべべさんの声。
「メテオラくん。聞こえていますか?」とマシューが言う。
「はい。聞こえています」メテオラが答える。
「これから僕たちはべべさんを時計の間に連れて行って、尋問します。なのでメテオラくんもシャルロットさんたちと合流して、皆さんで地下の時計の間まできてください」とマシューが嬉しそうな声でメテオラに言う。
メテオラはマシューに「わかりました。すぐにいきます」と返事をして、通信機のスイッチを切った。
それからメテオラは階段を上がって、上の階に移動しようとする。
しかし小さな女の子の魔法使いはメテオラのローブを引っ張って、また「上にはいかないほうがいい」と言う。
女の子の顔は真剣だった。
なのでメテオラはその場で、事前にマシューから指示を受けているシャルロットの判断でみんなが下の階に下りてくるのを待っていたのだけど、いくら待ってもみんなが下りてくる気配がない。
それだけではなくて、少し前に上の階に行ったパーシー先生も下りてこないし、十三階の見回りをしていたというニケー先生も下の階にまで、見回りに下りてこない。
銀時計の示す時刻は十時十五分を過ぎだ。
このタイミングで、メテオラは小さな女の子の魔法使いの意見を無視して、行動を開始した。
女の子はまたメテオラを止めたが、今度はメテオラが「君はここに少しだけ隠れていてください。すぐにみんなと一緒に戻ってきます」と女の子に笑いかけながら言うと、それからメテオラは一人で螺旋階段を上って上の階に行こうとした。
そこでふとまだ女の子の名前を聞いていなかったことを思い出して、メテオラは「僕はメテオラと言います。あなたの名前はなんですか?」と女の子に尋ねた。
すると女の子は「……カタリナ」と自分の名前をメテオラに名乗った。
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