148 魔法使いの研究と魔法具

 魔法使いの研究と魔法具


 魔法使いたちに伝わる数々の魔法使いの研究の頂点に君臨するのは魔法樹の研究であり、その一端として、天才魔法使いマシューは魔法樹の苗木の育成に成功するという偉業を達成している。

 魔法使いたちの研究にはその魔法樹の研究をピラミッドの頂点としてその下に末広がりのような形で幾つかのランクに分けで様々な研究分野が存在していて、その魔法使いの研究のランク割を参考にして魔法具にも同じようなピラミッド型のランクがあった。

 魔法具のピラミッドの頂点に位置している魔法具が魔法使いの研究の中でも、『もっとも危険で、触れてはならない禁忌の研究とされる賢者の石』とほぼ同質、あるいはそれ以上と言われる数ある魔法具の頂点に立つ『禁断の箱』と呼ばれているものだった。

 この二つは『魔法使いの二大厄災』と呼ばれ、賢者の石はアスファロットが厄災を起こす前に一度、すべての魔法使いのふるさととされている太古の森、樹海で巨大な厄災を引き起こしていた。

 賢者の石はその実物が古き森にあったが、それはアスファロットに奪われ、その無限に等しいエネルギーを魔法の森と人間の国と、そして世界を焼くエネルギーとして使用されてしまったため、今はもう世界のどこにも実物は存在していないはずだ。

 そしてもう一つの厄災、禁断の箱とはアスファロットが生み出した彼専用の魔法具で、その力の内容はメテオラにはわからないのだけど、その実物が今も魔法学校の十三階に厳重に保管されているようだった。

 もともと破壊できない材質で作られているものなのか、それとも今の新しき森にとってもなにか利用価値があるのか、ともかくそれは現存していて、実際に森にあるということをメテオラは魔法使いたちの噂話を聞いて知っていた。メテオラの読んだ魔法書『森の魔法使いの研究大全』によれば、禁断の箱は賢者の石よりも、その危険度が少しだけ上位に位置しているようだった。

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