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「……どう、というのは?」
メテオラが返事に困っていると、アネットがメテオラの耳元に顔を近づけて、「……こういうことを私の口からメテオラくんに言うのは、どうかとは思うんですけど、実はマリンちゃんはメテオラくんのことが好きなんですよ」と小声で囁いた。
その言葉を聞いてメテオラはすごく驚いた。
そうしてメテオラが驚いた表情でアネットの顔を見つめていると、アネットはメテオラの顔を見てにっこりと笑った。そんなアネットの笑顔を間近で見て、メテオラはすごくどきっとしたのだけど、マリンの話を聞いたばかりだったので、メテオラはぎゅっと自分の手のひらをつねってなんとかだらしない顔をしないですむことができた。
「じゃあ、メテオラくん、またあとで」
アネットはそう言うと真っ暗な闇の中を歩いて、上の階に移動した。
それから少しして、今度はシャルロットが上の階から下りてきた。
「こんばんは、メテオラくん」
場所はアネットに聞いたのだろう。隠れているメテオラのところにシャルロットはすぐにやってきてそう言った。
メテオラはシャルロットに「こんばんは、シャルロットさん」と挨拶を返した。
今までそんなことを思ったことは一度もなかったのだけど、このときメテオラはなんとなくアネットとシャルロットの二人はとてもよく似ていると思った。アネットは黄金の民で金色の髪と青色の目をしているし、シャルロットは栗色のくりくりとした髪の毛をしている。だから外見はあまり似ていないのだけど、二人がまるで本物の姉妹であるかのようにメテオラには思えたのだ。性格だって、すごく似ているというわけでもないのに、どうしてだろう? メテオラは一人でそんなことを疑問に思った。
それからメテオラは少しして、アネットとシャルロットの関係は、デボラとアビーの関係に近いものがあるのだということに気がついた。
そのことに気がついてメテオラがまじまじと隣にいるシャルロットの様子を観察していると、ふとシャルロットがメテオラを見た。
「ふふ。メテオラくんの髪の毛。いつもごわごわしてますね」とシャルロットは言う。
確かにとんがり帽子から少しだけはみ出ているメテオラの髪はごわごわだった。
「少し触ってもいいですか?」とシャルロットが言ったので、メテオラは「どうぞ」と言ってとんがり帽子を頭から取った。
シャルロットはすごく珍しいものでも触るように、メテオラのごわごわの髪の毛を楽しそうな表情で触った。
「メテオラくんの髪質はこんなにごわごわだから、いつも寝癖がついてるんですね」とシャルロットは言った。
その情報はきっとアネットからの情報だろうとメテオラは思った。
「そういうところは、すごくメテオラくんらしくていいですね。いつも寝てばっかりのマシューくんに少し似ているかもしれません」と言ってシャルロットはにっこりと笑った。
シャルロットからは、なんだかとてもいい匂いがした。
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