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「はい、どちら様ですか?」とマグお姉ちゃんが問いかける。
すると「郵便です!」と、とても明るい女の人の声がドアの向こうから返ってきた。
その声にメテオラは聞き覚えがあった。
それはいつも郵便物を笑顔で届けてくれる元気な森の郵便屋さんの声だった。
マグお姉ちゃんももちろん森の郵便屋さんのことは知っているので、その声を聞いてドアを開けた。そして外にいる郵便屋さんとなにかやり取りをしているようだった。
「メテオラ。あなたにお手紙よ」とマグお姉ちゃんがメテオラを呼んだ。
メテオラは椅子から立ち上がって玄関まで移動する。
「こんにちは、メテオラくん」と郵便屋さんがメテオラに言う。相変わらず郵便屋さんはとてもいい顔で笑っていた。それはまさに日頃のお手本にしたいような笑顔だった。
「こんにちは」とメテオラは郵便屋さんに挨拶を返す。
メテオラが手紙を受け取ると郵便屋さんは魔法の杖に乗って、青色の空の中に颯爽と飛び去っていってしまった。
部屋の中に戻ったメテオラは椅子に座って、手紙を読もうとした。するとマグお姉ちゃんが上から顔を近づけてきて、紙の内容をメテオラと一緒に読もうとした。
メテオラは手紙をマグお姉ちゃんから隠すようにした。
すると、マグお姉ちゃんはちょっとだけ顔をむすっとさせてから、椅子に座って紅茶を飲んだ。
それからメテオラは手紙を読んだ。その手紙はシャルロットからの手紙だった。内容は『本日の夜、魔法学校の幽霊を捕まえるために、みなさんで魔法学校にてお泊り会をすることになりました。
許可はこちらでとってあります。お泊りの用意をして、夕方の十八時頃に魔法学校まできてください。ご案内は私、シャルロットが行います。
メテオラくんの到着を心よりお待ちしています。メテオラくんの友人、シャルロットより』
メテオラは手紙を丁寧に元の折り方で折って封筒の中にしまった。
それは今日のメテオラの予定が決まった瞬間だった。
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