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マグお姉ちゃんに毛布をひっぺがされて、メテオラがくるくると回転するようにベットの上で転がると、壁にぶつかって動きを止めた。ごつんとぶつけた額がひりひりする。
その痛みで目覚めたメテオラはむっくりと起き上がると、まだ半開きの目をこすりながら「……おはようございます。マグお姉ちゃん……、今何時ですか?」とマグお姉ちゃんに問いかけた。
そこに立っているマグお姉ちゃんはいつも通り完璧な魔法使いのお手本のような服装をして、その場所に仁王立ちしていた。
「もうすぐ九時よ。まったくメテオラは。いつもはしっかりしているのにお休みの日となると途端にだめになるんだから……。そういうところまでソマリの真似をしなくてもいいんだよ。ほら、早く起きて。着替えをして、それからご飯食べちゃいなさい」
ばしばしとマグお姉ちゃんに手で軽く叩かれながらメテオラはベットの上から強制的に退去させられてしまった。メテオラは草のつると葉っぱで作った手作りのスリッパを履くと、ベットの脇へと移動する。
マグお姉ちゃんはそれからメテオラがさっきまでくるまっていた毛布をきちんとたたむとそれをベットの上に置いて、それからクローゼットの前に移動してばん、と勢いよくそれを開けると、中に閉まってあったメテオラのとんがり帽子やローブを引っ張り出して、それに着替えをするようにメテオラに言った。
メテオラは水浴び場で顔を洗ってから、言われた通りに着替えをした。
部屋の中には明るい日差しが差し込んでいる。窓を開けて外の空を見上げてみると、そこは一面の青色だった。太陽も眩しく光り輝いていて、吹き込んでくる風がとても気持ちい。
メテオラはそこでうーんと背伸びをして、それから一度、朝の新鮮な空気を味わうために大きく深呼吸をした。
それからパンとミルク、チーズの盛り合わせといった簡単な食事を済ませてから、メテオラは椅子の上で大きなあくびをした。
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