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 星組の教室に戻ると、メテオラたちはいつもの席についた。

 少ししてマグお姉ちゃんが教室の中に入ってきた。

「みなさん、午後は急に自習にしてしまってすみませんでした。先生たちの間で、緊急の会議が開かれることになってしまって、そちらに出席していたのです。各自、自由に自習してよい、という連絡が伝わったと思いますが……、みなさん、どうやら遊ばずに、きちんと勉強してきたみたんですね。その引き締まった顔を見ればわかります」

 マグお姉ちゃんはメテオラたちの顔を順番に見て、一人一人の顔をじっくりと観察してから、そう話した。

 それから明日の簡単な連絡をして、マグお姉ちゃんはメテオラたちに目を向けた。

「さて、これで、私からの連絡は以上です。なにもなければ、お別れの挨拶をして、本日の授業は終了しますが、みなさん、なにか質問はありますか?」

 アネットが手を挙げる。

「はい、アネットさん」

「あの、明日の授業なんですけど、午前の時間を利用して、教室の大掃除をしたいと考えているんですけど、よろしいでしょうか?」

 そんなアネットの提案にマグお姉ちゃんは満面の笑みでうなずいた。

「ええ、かまいませんよ。そうですね。この教室も古い教室ですもんね。三ヶ月勉強してきて、いい機会でしょう。みんなで教室の大掃除をしましょう。アネットさん、よく提案してくれました」

 アネットはマグお姉ちゃんに褒められて、顔を赤くしながらにっこりと笑った。

 そして今日の星組の授業は終わりとなった。


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