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「ほら、僕の髪と瞳を見てよ? アネットさんと同じでしょ?」ニコラスの言葉にアネットは頷く。

「メテオラくんは黄金の民である僕と友達でいてくれるんだよ。だからアネットさんの髪や瞳のことも気にしないよ。ね? メテオラくん」ニコラスは満面の笑みでメテオラを見る。

 メテオラはニコラスの言葉に助かったと思いつつ、「もちろんです」と、なるべく明るい雰囲気で答えた。

「ほ、本当ですか?」

 メテオラとニコラスはアネットの言葉に力強くうなずいた。

 するとアネットの顔はみるみると明るい輝きを取り戻していった。溢れそうだった涙を指でそっとぬぐい、アネットは明るい声で「はい、そうですね」とメテオラたちに微笑でくれた。

 そんなアネットを見て、メテオラは心の中でニコラスに感謝した。

 ニコラスは怖がりで少し頼りないところもあるけれど、誰よりも人の痛みがわかる優しい性格と、人の苦しみを見抜く鋭い観察眼を持っていた。それはニコラス生来の能力ということだけではなくて、ご両親譲りの宝物でもあるらしい。ニコラスの実家は魔法の森で唯一のお医者さんの家系だった。今もニコラスのお母さんは森の中で診療所を開いている。ニコラスはそんな家系に生まれた子供らしく、メテオラが不用意な視線で傷つけてしまったアネットの心の痛みを、優しく治療してあげたのだ。

 それからメテオラとニコラスは、アネットとお互いの自己紹介をしたあとで一人ずつ握手をして、それから三人は一緒に並んで教壇手前の最前列の席に座った。

 席にはアネット、メテオラ、ニコラスの順で座り、三人は先生が来るまでの間、おしゃべりをしながらお互いの境遇を聞いてもらったりして、楽しい時間を過ごした。

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