神殺しの英雄

才野 泣人

序章

第0話

 奴らは突然現れた。


 化け物。そう形容するのが一番正しいだろう。小さいものでも全長三メートル、大きなものだと全長二十メートルはあるそいつらはアクションゲームにも出てくるモンスターそのものだった。


 世界中に同時に、とは言っても数日の誤差はあるが、現れて街を壊していったモンスターたちは三日ほどすると自然に消滅し、そうして定範囲に一ヶ月五体ほどのペースで現れ続けた。


 だんだんと壊されていく街。失われていく日常。


 人智を超えたそいつらのことを次第に人々は神と呼ぶようになった。

 


 しかし人類もこの状況をただ指を咥えて見ているだけには収まらなかった。

初めて神が出現した時から約一年後、脳を含め全身を機械化、武装化させた人間である全身機械型人間ヒューマノイドの開発に成功し、対神用兵器として活躍した。


 こうして神と人類の全面戦争が始まった。人類はかつて信仰の対象だったそれを片っ端から駆逐し続けた。


 結果から言おう。人類は惨敗だった。理由は色々あったが、最大の原因は反撃の一手が遅すぎたことだろう。一つ、また一つと地図から街が消えていき国は壊滅状態になった。


 しかしそんな中でも諦めない者達が極小数だが確かにいた。これはそんな神に牙を剥く者たちの戦いの物語である。

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