○○を買いに

妖怪さとり

剣を買いに

読者の皆さん、おはこんばんちは、本日は剣を買いに来ました。


「こんにちはー」


「いらっしゃい、何が欲しいんだ?」


「剣を買いに来ました」


「剣か……、そうだな、こいつはどうだ?」


「ずいぶん、シンプルと言うか、普通の剣ですね」


「おう、見た目は普通だが銘が有るぜ、ナオコってんだ」


「ナオコ?」


「おう、剣 ナオコだな」


「…………。他の剣が良いです」


「しょうがねぇなぁ、じゃあ、これはどうだ?」


「これも普通ですね」


「おう、見た目は普通だが、柄の所にタバコが入れられる様になってて、戦闘後に一服出来る、その名も『シガー剣』」


「いや、そんな、どや顔で言われても……、他の見せて下さい」


「ワガママな奴だな、じゃあ、こいつならどうだ?」


「これは、また派手な剣ですね」


「うむ、冒険初心者や貴族の坊っちゃんなんかが、ナメられない様に見栄をはる為に持つ剣だ」


「まさか、見栄剣とか言いませんよね」


「なんで判ったっ?!」


「はぁ~、他に無いですか?」


「よーし、それじゃあ、とっておきの魔剣を見せてやる」


「魔剣?良いじゃないですか、最初から、そういうの見せて下さいよ」


「ほら、これだ。後ろから危険が迫ると、『後ろっ、後ろっ』って教えてくれるんだ」


「おおっ‼それは不意打ちを避けられて良いですね」


「そして、当然だが、こいつにも銘が有るぜ、『シムラ』ってんだ」


「つまり?」


「シムラ剣だな」


「やっぱり……」


「もちろん、魔剣だけに値段も負けん」


「もういいよっ」





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