大会エントリー

中田祐三

さあ肉体の終焉を見えたところで少し悪あがきしてみよう

 今年、ついにそれがやってきた。


 覚悟はしていた。 己のことなのだから当然自分自身が一番よく理解していた。


 ここ何年かで自分の健康が急速に悪化してきていた。


 そして今年、それが臨界点を越えたのだ。 


 毎年毎年、赤字で描かれる要検査、要精密検査の項目に新たな項目が追加された。


 予測される病名。 不治の病とその合併症。 我が家系では祖父も父も遺伝的に弱い内臓が沈黙を破りもう限界だと叫んだのだ。


 それは命の終り、終末の果て、最終駅のアナウンスが流れた。


 そう考えたら、俺は何もしていないことに気づいた。 


 目立たぬように、隠れながら生きることにも飽きた。 そろそろ終りが近いのならヤケクソにも似た蛮勇をはっきするとしよう。


 とある創作の大会にエントリーした。


 まあ白状すると不眠症から限界突破した躁状態でやらかしたという一面もあるが、俺の人生、これくらいの無茶をしたっていいでしょう?


 だってあと何年生きていられるのかすらわからんのだから。

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