第36話 あいつTUEEEE
「小豆沢智之さん!
「さすが……最強の守護霊がいるだけあるね。
智之さんは笑っている。
「青柳くんの部屋の写真ですよ! 女装した智之さんが写っていました」
「青柳か……あんな写真は飾るなと言ったのに。あんまり君と関わらないようにしてたのにな。バレたか」
女装しても女性にしか見えない智之さんはイケメンなんだな。
「何でこんなことしたんですか? 」
「蔵子を僕のものにしたかったんだよ。そのために家を出たんだよ。心やさしい蔵子がアメリカで養子に行くようにな」
何だって!?2人は血が繋がっているはずじゃ……
「驚いているね! 僕は父の連れ子、蔵子は母の連れ子だから血は繋がってない。しかも両親は離婚し、蔵子は笹野家に養子に入ったから関係ないんだ」
「何で今、僕を狙うんですか!? 今の笹野さんの恋人は
今猿さんには悪いけど順番的に僕は後では……
「今猿かあ。あいつも横から入ってきた邪魔者だ。あとで排除するつもりだ!だがその前に何十年、何百年と目障りなお前から排除する……気に入らないんだよ!蔵子の心の中にずっといやがって……いつもいつも途中から入ってきて横取りするお前が……憎いんだよ! 」
「いつもいつもって僕は横取りした覚えはありません」
─カキーン
「さすが……
「お主ワシを知っておるのか……? 」
「この私をお忘れですか?
須藤久信? どこかで聞いたな
権蔵は驚きすぎて声も出ないようだ。
《わしによく仕えてくれた部下がふたりいてのう。1人は戦で大活躍した武士の息子須藤久信、家柄もよく冷静で頭が良くてなわしによく助言してくれた》
ああ~! あの柊愛長の家臣だ!!!
「久しぶりじゃな。久信」
「お久しゅうございます。しかしなぜまたこやつの所にいるのですか? 」
権蔵の家臣の須藤久信が最強異世界人として転生してきたってこと?
「何故だかわからん。小豆沢蔵子と権太に何か感じるものがあったからじゃ」
「それはそうでしょう。蔵子は愛長様の娘、
何だって!?笹野さんが権蔵の娘の生まれ変わりだと!?
「なるほど。それでなんか小豆沢蔵子のことを放っておけぬはずじゃ」
─ドゴーン
智之さんの手からビームのようなものが出て僕に当たった。
「いたたた」
そのビームのせいで権蔵が僕から抜けていた。
「これでおしまいだな。坂田真太郎!」
智之さんは空気刀を拾って僕に向かって歩いてくる。
「坂田真太郎……!?」
《もうひとりは農民から這い上がってきた坂田真太郎。こやつは世話焼きで不思議な魅力がある男じゃった。わしの世話を一生懸命やってくれたわい。まあよく怒られもしたが……》
「まさか僕が……権蔵の家臣の生まれ変わり? 」
「そうだ。農民で下働きだったのに愛長様に見初められ家臣まで成り上がった。お前が来るまでは私が愛長様の1番の家臣だったのに。おまけにそれだけで飽き足らず雲母様までお前が好きだった。転生してやっと一緒になろうと思ったら、今度は蔵子の同級生として現れ、愛長様と再会し邪魔をした。転生しても愛長様と雲母様の心は坂田真太郎の物のまま。邪魔なんだよ! 坂田真太郎! 」
そんな記憶にないことを逆恨みされても……!
どうりで僕は朔の場所も一目でわかったはずだ。
「わしはお主を信頼していたのに! 」
権蔵も手からビームを出した。
それを智之さんは避けて、手から波動みたいなのを出した。
その波動みたいなのは権蔵の左頬をかすると権蔵の頬から少し血が滲んだ。
「私の波動は霊体でさえ傷つけることが出来るんですよ!愛長様」
権蔵が気を取られてるうちに智之さんは僕に空気刀を振り落とそうとしている。
─カキーン
その時、誰かが金属パイプで防いでくれた。
「兄貴、油断するなよ」
「間に合ってよかった!」
「いつのまに仲間を呼んでいたんだ? 」
「青柳くんの会社に行ったあとみんなにTOINしたんですよ! 」
僕がそう言うと智之さんは縁と力を薙ぎ払った。
「ていやああああ」
僕の後ろから西園寺さんと
「最近薙刀習っておいてよかった」
皆藤さんがびくびくしながら言った。
「私達もいるわよ」
僕の前から
─ダンダンダンダン
左からは
「大丈夫か? 橘さん」
今猿さんが僕を見た。
「そこまでだ。小豆沢智之」
薬研先生が電気ガンを構える。
「薬研先生! 今猿さん何でここに? 」
僕はふたりは呼んでいなかった。
「
今猿さんは電気ガンを構える。
「薬研! 今猿! おまえらはいつも私の邪魔をする! 」
「あかさはなたまやらさなたみなはら」
右側からは呪文を唱えながら小豆沢光
「この御札は動けなく作用があります」
小豆沢光さんが御札を投げる。
「ほお、はこべ様までいるとは……」
智之さんは少しだけ驚いていた。
「みんなを呼んできましたよ」
はこべさんがそう言うと、智之さんの上から檻が降りてきた。
霊体・特殊能力者用の
桂と
これで形勢逆転だな!
「フフフ……それで私をやっつけたつもりか? 青柳コーポレーションの商品は、ほぼ私が作ったようなものだ」
そう言うと、智之さんは瞬間移動して檻から出た。
えっ?
この人何でもアリなの?
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