第26話 探し当てた真実と朔!
僕はひいらぎ高校に来ていた。
目的は2つある。ひとつは権蔵の愛剣『
青柳くんからはそいつを捕まえて空気刀改
メモには……
『髪の毛は短い』
『小栗部長が見たやつは背は中ぐらい』
『片岡あやめの怪しい動き』
『不知火の探し物』
『聖川先輩の藁人形』
『青柳くんのプライド』
『僕達を尾行していた探偵風の男』
『ロッカー荒らし』
『不知火の靴の吹奏楽部の画鋲』
『階段から突き落とされそうだった』
『学ランを着ていた』
と書いてある。
この感じだと……髪の長さと制服だと
身長で行くと
怪しいのは、
田中と智は絶対違うだろう。
だとすると、不知火か聖川先輩か……でも片岡あやめも怪しいし……青柳くんも怪しい……
「どうやって探せばいいんだよ~15年も経ってるのに……」
僕は頭を抱え込んだ。
「なんじゃ。なら15年前に戻したらいいんか? 」
権蔵が楽勝みたいな顔をしている。
「えっタイムスリップできるの? 」
「たいむすりつぷってなんじゃ? 」
権蔵は不思議そうにしている。
「過去の時間に戻ったり未来に行ったりすることだよ」
僕は権蔵に説明した。
「いくらわしでも未来には行けんよ。ただ建物の記憶から過去を見ることができるだけじゃ。その記憶には干渉することもできん」
過去は変えられないということか……それでもかなりすごいよ。
「やってみてくれ」
「ふんぬ! 」
権蔵から緑の光が出て学校全体を包む。
「やったぞ」
「まずは吹奏楽部のロッカー荒らしから見てみよう」
僕は当時吹奏楽部の部室があった場所に向かった。
部室のドアを開けた。すると、ロッカーを荒らしているのは不知火だった。
「蔵子さんを脅迫しているやつは好意を持っているやつの誰かだろう。なにか見つからないか……」
不知火も蔵子さんを脅迫しているやつを探していたのか……
次は僕が突き落とされそうになった階段だ。
2階から様子を見てみる。智がやってきた。
「
智が近くにいた男子生徒にぶつかって、智が僕に突っ込んできそうになった。
「危ない! 」
蔵子さんが智の手を引っ張った。
「ありがとう。
智は助けて貰って嬉しそうだ。僕は何も気づかずどこかへ行った。
「気をつけてね」
そう言って、蔵子さんもどこかへ行った。
これは、単なる偶然だったみたいだ。
次は
僕は玄関口で待っていた。
来たのは聖川先輩だ。不知火の靴に画鋲を入れてる。
やっぱり蔵子さんを脅迫したのは聖川先輩か……?いや、これだけじゃただの嫌がらせかもしれない。
次は片岡あやめが怪しい動きをしていた机に行こう。
蔵子さんの机の前で待っていた。
片岡あやめがやって来た。
「蔵子との交換日記は……ここかな?縁との
片岡あやめはただ単に交換日記を探していただけのようだ。こんなに仲がいいのに15年後には片岡あやめは、蔵子さんを陥れようとするんだから悲しいよな。
あとは学校外だから蔵子さんの家と探偵風の男は帰りにしよう
……って蔵子さんの実家知らないぞ。どうしよう?
「権蔵……蔵子さんの実家の場所知らないか?」
「知らん」
困ったなあ……如月さんも知らないだろうし……片岡あやめには聞きたくない…
とりあえず、僕は一旦置いておいて
~柊愛長の石碑前~
「西園寺さん……いますか?」
僕は小屋のドアをノックした。
「千夜いるかあ?」
権蔵も声をかける。
「
西園寺さんは権蔵が声をかけるとすぐ出てきた。
僕達は小屋に入り、柊愛長が持っていた刀『朔』の行方を探していることを説明した。
「ああ、どのような刀でも折ることが出来ぬ刀ですね。書物によりますと坂田真太郎が受け継ぎ、寺子屋の裏の山の頂上に埋めたそうです」
寺子屋の裏の山の頂上……。この辺じゃないか……!
「千夜! 手分けして探すぞ」
権蔵が張り切っている。
僕は柊愛長の石碑の隣がキラキラ光っているように見えた。僕はそこを手で掘ってみた。
すると刀が地面に刺さっていたので、僕は抜いてみた。
「そ、それは我が愛刀『朔』。もう見つけたのか? 」
権蔵がぽかんと口を開けて驚いている。
「光ってたからすぐわかったよ」
「そんな光ってるのなんて見た事ありませんでしたが……」
西園寺さんも信じられないようだ。
「きっと昨日の強風でだいぶ土がどいたんですよ! 」
昨日は強風でラッキーだった。
「では保管している鞘を授けよう」
西園寺さんに言われ、僕は小屋に戻った。
「これだ」
西園寺さんは緑の布に包まれた紫の鞘を見せてくれた。
僕はその鞘に先程見つけた刀『朔』を収めた。
「かっこいいけど銃刀法違反で捕まらないように気をつけて持って帰らないとな」
「大丈夫じゃ! わしが見えないように小さくしておいてやる。ふんぬ!」
そう言って、権蔵は刀を小さいボールペンサイズにした。
そして、僕は学校をあとにした。
「ああ、あと蔵子さんの実家さえ分かればなあ……解決するのになあ。とりあえず智と遊びに行ったところに行くか」
僕は智と行った映画館の大通りを15年前にしてもらい待っていた。
僕達の後ろにパンチパーマで茶色の服を着てグラサンをかけたいかにも、探偵風の男がいた。よく見ると、
「こちら薬研……異常なしだ。安心しろ。蔵子ちゃん。橘権太は必ず守る」
なんと薬研先生は……蔵子さんからの依頼で僕を守っていたんだ。んっ薬研さんなら蔵子さんの実家を知っているんじゃないか?
僕は薬研先生の名刺を取り出し、電話した。
電話 橘
『もしもし薬研先生ですか?橘です』
電話 薬研先生
『おう。橘くんか……どした? 』
電話 橘
『蔵子さんを脅迫したやつが見つかりそうなので、蔵子さんの実家の住所を教えて貰えませんか? 』
電話 薬研先生
『なんだと…!? ほんとか? どうやってそこまで分かったんだ? 』
電話 橘
『ほんとです! いろいろ聞き回って分かったんです』
権蔵の力がほとんどだけど聞き回ってたのは嘘じゃないしな。
その後薬研先生は蔵子さんの実家の住所を教えてくれた。
電話 薬研先生
『本来なら個人情報は漏らさないんだが今回は特別だ』
電話 橘
『薬研先生!昔も今もありがとうございます』
電話 薬研先生
『昔って……なんのことかわからねえな。ふっ』
そう言って、薬研先生は電話先で笑っているようだ。
僕は電話を切り、蔵子さんの実家に向かった。
権蔵に15年前にしてもらい、蔵子さんの実家の庭で待っていた。現在は空き地だから問題ないだろう。
すると、誰かがやってきて蔵子さんの実家に石を投げつけている。僕はそいつの顔を見て驚いた。
こ、こいつは……うそだろ?
僕はついに分かったんだ。僕を狙い、蔵子さんを脅迫し、
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