ああ、最強守護霊と彼女を奪還したいんだが
かなかな
第1話 彼女を賭けた戦!
僕は事故がきっかけで
権蔵は『初恋の人を探してほしい』と僕に言い、見つけてくれれば最高の幸せを与えると言った。僕は権蔵の初恋の人を探すために婚活をした。
結果権蔵の初恋の人を見つけたら、なんと僕の初恋の人だった。権蔵が探していたのは自分の初恋の人ではなく、僕の初恋の人
僕は忘るの儀式で蔵子さんに記憶を消されていた。
しかし、蔵子さんと過ごすうちに全ての記憶を思い出した。良い思い出から悪い思い出まで。
蔵子さんといい雰囲気になったのに、すれ違いから蔵子さんは僕に関する記憶だけなくなった。
そして蔵子さんはアメリカ時代からの友人の
僕はそれから会社に電話して、3日間有給をもらった。僕は何をする気力もなく、ただカップ麺をすするだけ。
「のう、権太。諦めるんじゃない。蔵子の側室とかなれるかもしれんぞ」
権蔵が無気力な僕にずっと話しかけてくる。
「日本にはこの時代に、側室は存在しないよ。頼むからひとりにしてくれ」
僕は部屋の端っこで座り込んでいた。
「もしかしたら離縁するかもしれんぞ」
権蔵はなかなか諦めが悪い。
「僕は不倫する女は嫌いだ。不倫なんてやりたくない。離婚するかもなんて醜い希望も持ちたくない。権蔵が時を巻き戻してくれよ」
僕は権蔵に八つ当たりをした。
「いくら、わしでも時を戻すことは出来ぬ。それは神の領域じゃ」
権蔵の言葉にガックリとした。
なんだよ! なんでもできるじゃないのかよ?
「大体結婚式もあげとらんのに何が悪いんじゃ? 入籍ってなんじゃ?」
権蔵がいまいち状況を理解してなかったらしい。
「結婚式をあげるより悪いよ。花嫁奪って逃げることすら出来ない。国が定めた法律で2人が夫婦なのを認められたんだよ」
僕は大まかに説明した。
そして、高校時代の社会の本を権蔵に向かって、投げた。
権蔵は手を触れずに緑の光の力で器用に読んでいる。
「なんじゃ。『
権蔵は本を閉じてニヤリとした。
「なんだとはなんだ! 日本一重い紙切れだぞ」
僕はこの状況でなぜ権蔵がニヤリとしているのがわない。
「わしを誰だと思っておる? 紙切れ1枚と数人の記憶ぐらい簡単に消せるわい」
権蔵は自慢げに言った。
「どうするんだ!?」
僕はガバッと起き上がった。
「結婚したという記憶とその紙切れをなかったことにする。ふんぬ! 」
権蔵がそう言うと緑の光があちこちに飛び散った。
「待て! 権蔵……僕はまだやっていいとは言ってない」
たしかに今猿社長と蔵子さんの結婚はなかったことにしたいが、蔵子さんの気持ちはそれでいいのか? それになんかずるい気がする。
「ぼやぼやするな! これは蔵子殿を賭けた戦なのじゃ。甘い事言ってたらあかんのじゃ! この力は1回しか使えん。気を引き締めてかかれ」
権蔵が
僕は翌日から会社に向かった。
「おはようございます!
会社には朝早くから皆の机を拭いている蔵子さんがいた。
「もう僕の名前を覚えてくれたんですね。」
蔵子さんの印象に残ったのが嬉しい。
「本当に小豆沢蔵子さんですよね? 免許証見せてもらえますか? 」
僕はまた蔵子さんが苗字が違ったらどうしようと、不安になった。
「そうですよ! 突然なんですか? 」
蔵子さんは若干引いてるが僕も確認しないといけないんだ。
「そんなに真剣に見られたら仕方ないですね。わかりました。何かあるんですね」
蔵子さんは運転免許証を僕に見せてくれた。
裏側に記載されていたはずの氏名の変更がない。
「ありがとうございます」
よかった。権蔵の力が効いているらしい。
「小豆沢課長。おはようございます!」
「高梨さん。おはようございます!」
蔵子さんがニコリとした。
「橘! こっちに来い」
高梨先輩が僕の首の根っこを掴んで引っ張る。
「小豆沢課長なんで急に性格変わったんだよ? 」
高梨先輩が僕にひそひそと質問してきた。
「僕が4の儀式つまり
僕は高梨先輩には真実を話した。
僕の記憶を消したら、名前まで元に戻るなんて……
いつもの盗み聞きでわかったことがいくつかある。
蔵子さんはアメリカに留学したことになっており、そこで今猿社長と出会い、今は蔵子さんと今猿社長は恋人同士らしい。
覚悟はしていたがもうふたりは恋人同士だったか。
とにかく蔵子さんを苦しめたやつと今猿社長を怪我させたやつを探さないとな。
根本が解決しないとまた高校時代と同じ過ちをしてしまう。
さあこれからどうしようか?
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