22p

 君ほど頑張っている人間は他にはいないよ。

「ありがとうございます、部長」


 君みたいな良い女と付き合えて俺は幸せだよ。

「ありがとうございます、上高知部長」


 君ほど優秀な人間を他に知らないよ。

「有難うございます」

 

 君は本当に良く気が付くね、助かるよ。

「部長、ありがとうございます」




 女達は、それぞれ、幸一の言葉に頬を赤く染めて、はにかんだ。


「一体誰が……」


 幸一は、酷い頭痛にしゃがみ込む。



 カサリッ……。


 音がする。


 幸一は動けない。


 カサリッ……カサリッ……




   カサリカサリカサリカサリカサリカサリカサリッ……






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る