第2話「プラン」


・・「現在シャア少佐には先行量産型ゲルググMS-14S に搭乗しています。ですが一般機との性能に差はなく試験的な試みで配備されている物です。」


「なので少佐に合わせた

専用msをとにかく早く届ける必要があると思われます。・・・」


今僕は初めての作戦会議に出席している。そして気づいたのが、

本当に小さな部署のようだ…全く新たなmsを開発する計画では無いので当たり前といえば当たり前なのだが…



会議に居るのは 技術担当、整備担当、設計士、僕ら発案、監修担当、司会で6人と聞いている。ハンガーで実際に作るのは

ms製造工場なので僕らは設計などのデータを作る事が任務となる。


室内は薄暗く、前には大きなスクリーンがあるそこにはシャア少佐の戦闘映像が映し出されている。



「この映像はルウム戦役での物です。シャア少佐の戦闘は的確なバズーカでの射撃と高速で縦横無尽に飛び回る操縦技術と分かります。」


「彼の戦闘は一撃離脱戦法なのでマシンガンよりもバズーカの方が合っていたと思われます。」


「ですが白兵戦となるとバズーカは取り回しが悪く、マシンガンを使うことが、多かったようで

ドムを使わないのもその事からかと。」


アディが口を開く。


「だが現状配備したゲルググの装備しているビームライフルは取り回しが悪く、中距離から遠距離戦向きだ。ドリー、小型化は検討できるのかい?」


作業服姿の男性が渋い顔をしている。この人が技術担当なのだろう


「無茶言うなよーアディ…やっとの事でこの大きさまで来たんですから…短期間で小型化しろと言われても…」


「それなら、出力に余裕はあるのかい?」


「ああ、ゲルググは出力の面でもガンダムを上回ってるからな。」


「なら、追加で小型ビーム兵器を搭載しよう。取り回しのきく腕でどうだろうか。」


「いけると思うぞ、牽制用なら小型化は出来る。ついでに頭部バルカンも付けておこう。」


「設計上も問題ない。加えておこう。」


この白衣姿の男性が設計士なのだろう。


「因みにビームライフルをより強力なものにすることは出来るのかい?」


「ああ、コストを無視するなら急造することは出来る。大型化はするがな。」


「艦隊に対する火力としてもだが…ガンダムを戦闘不能にする為の火力という面も大きいんだ。

地球圏では多数のガンダムタイプmsも確認されているからね。」


「ああ、ガンダムタイプの装甲は異常だからな。」


「もちろん高機動化は行う。

今回はリミッターなんかでは無く確実にな。」


「その点でなんですが。良いでしょうか… 」


「なにか思いついたのかい?ラウくん。」




「はい…高機動化の上で盾を無くしてはどうでしょうか…」


「ほう、面白いことをいうね。

なんでそう考えたんだい?」


「はい…少佐は回避能力にとても秀でている事が戦闘データから分かっています。なので、盾をなくし軽量化をして推進力を上げたほうがいいと考えました。」


「現に彼は当たらなければどうということはない。とも発言しているしね。私はいいと思うよ。ドリーどうだい? 」


「ゲルググには新型の複合装甲が使われているからな。ドムよりは耐久性が低いかもしれないが…問題は無いだろう。」


「司会さん、今までの話を1度まとめてれるかい?」


「はい、ゲルググから盾をなくし…腕に牽制用の小型ビーム兵器を搭載、頭部バルカンを付け、ビームライフルをより強力に大型化、推進力を大幅にあげる。と、なります。」


「これらの改修で十分かな?なら会議は終了となるが?」


「待ってください…計算したところ出力が足りないようです。」


設計士が抑揚のない声で話す


「なら追加ジェネレーターを付けるか?」


「うーん、だけどそうすると推進力が落ちるんじゃないかい?」


「ビームナギナタが出力をだいぶ使っているみたいですが…」


「あれはビームサーベルをふたつ使うようなもんだからな。」


「なら普通のビームサーベルで良いんじゃないですか?」


「そうだね、そうしようか。」


「そうすれば出力は足ります。」


「では、ビームサーベルを装備するということでよろしいですね?」


「皆これでいいかい?」


…………。


「設計が完了し次第上に報告しておきます。このまま上手く進めば

あと1ヶ月以内には配備可能でしょう。」


「ああ、頼んだよ。」

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