兵器倉庫(「須王龍野(“異世界社長戦争”参加用)」に出す兵装)

有原ハリアー

MG-300 ストライカー

MG-300 ストライカー


  口径:30mm

 銃身長:2,500mm

使用弾薬:30x173mm

 装弾数:500発

発射速度:750/min

有効射程:1,500m



 概要


 "MP5A5"を模した形状のマシンガン。

 弾丸は"GAU-8 アヴェンジャー"の規格と共通のものを用いている。

 ただし、龍野達の機体3機は片手で扱える。しかし反動が強すぎた結果……。



 実演


 龍野の視界の右下には、銃のアイコンと『0500』の数字が映っていた。

「それで、ヴァイス。お前の指示通りにあの赤い円を撃て、ってワケだな?」

「ええ」

 ヴァイスに確認を取る龍野は、改めて300m先の巨大な標的を見つめる。

(さて、訓練としてはちょうどいいな。俺もしばらく、銃火器には縁が無かった。騎士として撃つには撃っていたが、それでもなかなか慣れなかったのは事実だ。ましてロボットに乗った状態で撃つってなると、これは実質初体験と言ったところだな)

「準備はいいかしら?」

 スピーカーで、ヴァイスからの声が飛んできた。

「ああ、いつでも来い」

 龍野は機体の姿勢を意識し、目を閉じる。もっとも網膜投影なので、視界は確保されているが。

「では、いくわね。“両手で保持し、単射して”」

 指示を聞き届けた龍野は、“標的の中心を狙い、セミオートの状態で引き金を引く”イメージを浮かべた。

 照準を示す円十字レティクルが、標的の中央まで移動する。

 そして、わずかな振動が全身を通り抜けた。

 数字は『0499』と表示されていた。

「よし、当たってるぜ」

「良好ね。続けて、“両手で保持し、合図があるまで連射して”」

 “標的の中心を狙いつつ、フルオートの状態に変換する”イメージを浮かべた龍野。

 円十字レティクルが標的の中央に移動したのを確認すると、“引き金を引き続ける”イメージを追加で浮かべた。

(ッ!)

 全身を細かくシェイクされ、歯を食いしばる龍野。

 数字がみるみるうちに減っていく。

「やめ!」

 ヴァイスの指示で、イメージを停止させた。『0358』と表示されている。

「うわあ、穴だらけじゃねえか……」

 自分で撃った標的だが、現状に驚愕している龍野。

「更に穴を増やすことになるわよ。それに、休む暇も無いわ。次は“片手で保持し、合図があるまで連射して”」

「あいよ」

 龍野がイメージを浮かべ、機体に「片手で構えた姿勢」を取らせる。

「準備は整ったかしら? では、始めてちょうだい」

 ヴァイスの指示でイメージを浮かべ、引き金を引いた。

「ぐっ……!」

 先ほどの連射を上回る振動が、龍野を肉体的かつ精神的に動揺させる。

「イメージを保って、龍野君!」

 ヴァイスの激励で持ち直し、射撃イメージを鮮明にする。

「やめ!」

 その数秒後、ようやく中止の合図が発された。

「龍野君、残弾はいくらあるかしら?」

「きっかり200発だな」

「わかったわ。では、次の質問に移るわね。『撃ちやすかった』かしら?」

「いや、振動がコクピットにまで伝わってきたぜ。イメージがブレるのなんの」


「ありがとう。となると……残念ながら、これはボツね」


 その後、本銃は解体処理されたそうな。

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