9話 戦いの前夜 その5
さて最後に、ガイルアのとの戦い方でも聞いておくか。
「ところで夜巳よ、例の<死の流動体>とやらは、どうやって戦って勝つんだ俺は?」
「状況は視えなかったですね、能力の大きさに差があり過ぎます。しかし、明日居なくなることは確実に視えました。ちなみにダーリンの未来も視えませんし視ません。これからは、自分と他人の未来は、視ないことにしたんです、つまらないですからね」
っち、使えねーな・・・
夜巳の予知能力、人物を対象にするときは、自身より力の弱い人間しか見れない。
おそらく瑠偉と美憂の未来は視れるだろう、麻衣は結構パワーアップさせたから視れないだろうな。
「不安なのですか? 私が慰めますよ? 体を使ってね・・えへへへへぇ」
「不安は無いな・・・だが、幼女は無理、胸無いし犯罪だし、胸無いからな」
「むーー、2回言ったし。昔流行しましたね、それ」と言いながら夜巳は、胸に手を置いて麻衣のそれと比べている、そして視線を美憂の胸に向けて「なーかーっま」と不敵な笑みを見せる、美憂は眉間にしわを寄せてご機嫌斜めのようだ、さらに殺気を感じたのは気のせいだろう。
「じ、じゃあ…お前ら個室で寛ぐがいい、ララよ案内を頼む」
『それでは城島様、佐久間様。ご案内致します』
ララの後について行く瑠偉と美憂、去り際に麻衣を見た。その表情はとても悩ましそうで、この関係をまだ気に掛けているようだ、だからと言って止めないけどな。その麻衣は、瑠偉達と俺を何度も見比べて「えっ、えっ」と言っている。
「兼次ちゃん、私の個室は?」
「無いよ、麻衣は俺と寝るからな!
ワームホールの作成で日数が開いたし、今日の俺は濃ゆいぞ!」
「わーい、初めてのスリーピーだぁ」と夜巳は椅子から降りベットに向かって走っていく、そのままベットに向かってジャンプし、仰向け大の字になった。そして右手をこちらに向けて、来い来いの手招きをしている、さらに「さあ来い」とか言っている。
「それは無い。と言っているだろう」
夜巳をそのまま、大の字姿勢で浮遊させて天井に張り付けた。
「わー、天井しか見えないよー、生殺しー、イヤァーー」
それと同時にララが部屋の案内から戻ってきた、そのまま俺の側まで来て停止する。
麻衣の側に行き肩に手を置く「さて、始めるか・・」
「えええええぇー、この状況でぇー?」
「なにか問題でもあるのか?」
「あるわよー、見てるし!」とララに指をさす「聞いてるし!」と天井に張り付いている夜巳を指さす。
「ララは多少形が変わったが、前の銀の球体と同じだぞ? 天井のはオブジェクトだな」
「多少じゃなーい、すごく視線を感じるよぉ! てかオブジェクトって何よ!」
「慣れるしかないな、上のあれは置いといて、ララは今後は俺の側に付きっきりだぞ」
その言葉が終わると同時に・・・・
………
……
…
「フゥー……なんか二人きりの時と違ったね。新しい扉が開いた気がする」
麻衣は、そのままベットから降り着替え始めた、パジャマにだ。
「前々から気にはなっていたんだが、なんでお前ら服のまま寝ていたんだ?」
「生着替えを見られちゃうでしょ? あとはパジャマ姿を見られてくない」
確かに麻衣のパジャマ姿を見ると、胸元が若干開いている。生地も薄いせいか、下着ラインが見えるし、体全体のラインがよくわかる。
これは是非とも瑠偉の姿を見ておきたいな、ついでに美憂のも…偶然を装い部屋に入り確認したいところだ。しかし、東京の件もあるので、暫らくは遠慮しておこう、また関係が悪くなるのも嫌だしな。
そんな事を考えていると『その方がよろしいかと、思われます』とララが発言した。
ララの俺への思考解析はかかなり進んでいるようだ、行動を予測して突っ込みが来るとは。
「俺って、寝るときはパンツ一枚派なんだけど、いいかな?」
「お好きにどうぞ! 掛け布団無いけどね!」
そうだ掛け布団は無い、テナにも聞いたがそういう文化は無いそうだ。生活環境に関しては徐々に変更していく必要がある、これからの課題だな。
とりあえず掛け布団を何とかするまで、服のままで寝るか・・・
麻衣も俺の横で寝始める、天井からすすり泣く音が聞こえたが、気にすることなく眠りについた。
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