47話 いってきます
妊娠疑惑事件から暫らくたちリヴァララから報告であと10日で浮遊島がここに集まるようだ。先日も地球が見つかり瑠偉も役目から解放されたのはいいが、特にする事もなくりストレスがかなり限界に達しているようで、事あるごとに俺に口撃をしてくる。
「瑠偉、お前って結婚して一緒に暮らし始めると性格変わるタイプだな、そしてバツが付くと見た」
などと煽ってみたところペンを握りしめ俺の太ももめがけて刺そうとするが、俺は当然余裕で回避する。
「随分溜まってるな? トイレに入って欲望を解放して来いよ」
さらに煽ってみたが瑠偉は溜息をし憐れむ目で俺を見た。
「はぁー、美憂の所に行ってきます」と言い瑠偉は出入り口まで向かう。
「ああ、行ってこい、そして二人でやってこい・・・」
瑠偉は開いた扉の前で振り返り「そういう関係じゃないから! そして、いつかは一発入れる」と言い俺を睨みながら出て行った。
はぁ何とか追い出せたな、やっと麻衣と二人きりになれた。美憂はテナと一緒に毎日出て行くが瑠偉を部屋からどうやって追い出すかがの悩みの種である。
「どうやら瑠偉ちゃんとの仲が進展したみたいね。
でも、次のフラグ立てに失敗するとまた最初に戻っちゃうからね!」
「何処をどう見たら仲良くなったと言えるんだよ!」
麻衣に近づきサラサラの髪を撫てそのまま頬に手を当て麻衣の体を浮かせベットへ運ぶ…
………
……
…
「ごちそうさまでした」
横になりこちらを見ている麻衣の太ももに右手を置きスリスリしながら顔を見て話しかける、そのまま右手を上へ移動させお尻もスリスリする
「そうそう麻衣は地球に戻っても、ここで暮らすんだぞ?」
「えー、なんでよ?」
麻衣はお尻にある手を振り払う、しかし今度は今度は麻衣の腰に手を置きウエストとヒップラインの形を楽しむ。
「お前何するかわかんないし監視する、この関係もあるしな」
「素直に結婚してくださいって言ったらどうかなぁー?」
麻衣は腰にある手を振り払う、しかし今度は手を麻衣のお腹にあて胸めがけてゆっくり滑らせ下側から胸を手のひらで包み込んだ。
「残念だが俺の国では結婚制度は存在しない」
「意味わかんないし、って、この手は体を触っていないと気が済まないのかしらね!」
言いながら麻衣は俺の手を振り払い、上半身を起こしベットの端に座った。
「高校へ行く行かないは任せるが、行く場合はここから通うんだぞ、通学は送り迎え用のテレポート専用ロボを作って付けるから、テレポートは与えない!」
麻衣はベットから起き上がるとエアーシャワーへ向かう、後ろからケチケチと言う麻衣の声が聞こえた。シャワー室から出ると麻衣がベットの端に腰かけながら乱れた髪を整えていた。
「私どうしようかなー、高校とかつまんないし・・・将来も特になりたいものもないし」
悩める若者がここに、一人の大人として相談に乗りアドバイスを送れと言う事か、声をかけようと息を吸い込んだその時麻衣の話は続いた。
「50年も経ってると、あの漫画の最終回が楽しみー、さすがにあのハンターな漫画は終わってるよね? あー、あのアニメの最終回も気になるし新作も出てるよね? あとアメコミ系の映画も見ないと・・・
ああぁー、50年間に販売された乙女ゲーも消化しないといけないわ!」
麻衣は髪を梳くのをやめ素早く振り向いた。
「どうしよう、時間が足りないんだけど?」
「時間なんてタップリあるだろ老いないしな、だからこそだ! ここで暮らすと説いている」
「う~ん・・・考えておくね」
食事付きで働く必要が無い、そして毎日ゲームに漫画にアニメか・・・
「漫画とかを消化するのはいいが、引き籠って横に成長するなよ?」
「大丈夫だよー、特訓はするつもりだからね。
そうよ! 戦闘力53万への道は始まったばかりなのよ!」
「そ…そうか、頼むから街破壊するなよ?」
麻衣とのくだらない会話を楽しみつつ今後の事について考える。
あと10日ほどでこの都市周辺に全部の浮遊島が集まるわけで、集まってしまえばもう地球に戻る準備はすべて整う、力を集めるのは時間が掛かるからこれから恒星のエネルギーの取得を始めるとするか。
「リヴァララ、全員を集めてくれ」と銀の球体に触れ話しかける。
『了解しました』
しばらくすると部屋の扉が開き瑠偉が先頭で入ってた、続いて美憂とテナが入ってきた。
「なに、この香りは?」
「なんだろうな、香水でも撒いたの?」
瑠偉と美憂はテーブルに座っている俺と麻衣を見ながら言った。
「ま、まぁ未経験者では解らんだろうな、とりあえず座れ」
未経験と言う言葉で察したのか瑠偉と美憂の表情が曇った。
「なるほど…直後ね…」
瑠偉がそう言いうと同時に4人は椅子に座った、俺はそれを確認しテーブルに肘を乗せ指を組み話し始めた。
「地球に戻るための準備を始めようと思う」
瑠偉と美憂を見るがこれと言って表情が変わらず黙ってこちらを見ている、無表情のテナはいつも通りだ。
「地球に戻るための準備を始めようと思う」
反応が無いのでもう一回言ってみたが、歓喜の声援が無い。
「じ…じゃあ行ってくるわ」と言いながら瑠偉と美憂を交互に見る
「はぁ、仕方ないから私が織田さんの頬に頑張っての・・・」
長い沈黙を経て美憂が切り出した、日ごろから俺に対して積極的に話しかけてこない美憂がまさかの展開である。
「・・・頬に私の右ストレートをあげる」
「なら私は左フックで」
美憂に続いて瑠偉もそう言いながらテーブルの上で拳を手のひらに何度もあてている。
「おれM男じゃないから、喜ばねーから。いらねーよストレートもフックも。
いいよ黙って行くから! じゃあな!」
俺は逃げるようにテレポートで部屋から去るのであった。
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