42話 銀河系最強の頭脳
朝食の時間、円形のテーブルを挟んで瑠偉と美憂が座っている、そして麻衣は俺のすぐ横に座っていた。
前回までは俺の両脇は人ひとり半分のスペースがあいていて美憂・瑠偉・麻衣はほぼ密着していた、そんな配置で食事をしていたのだが、何度見直しても麻衣は俺のほぼ横で食事をしている。
「開き直った・・・」
「あ、ああ、そうだな・・・瑠偉」
瑠偉と美憂は食事に手を付けず呆然と麻衣を見ている、そんな麻衣は鼻歌交じりに朝食を次々に口に運んでいる。
「しねばいいのに・・・」
「ああ、まったくだ」
瑠偉と美憂は俺を見ながら小声で言った。
「聞こえてるぞ? それより、さくっと地球を見つけてくれよ瑠偉」
「はぁー鬱だ・・・」
瑠偉は下を向きならが食事を始める、美憂はそんな瑠偉を見ると困ったように食事を始めた。
それからは無言で食事が進んでいき食べ終えたと同時にテナが入ってる、そのまま無言で3人は出て行った。
「麻衣、お前何とかしろ。気まずいだろ」
「えー、大丈夫だよー。それよりもっといろんな能力欲しいよー」
麻衣は俺の左腕を両手でつかみ左右に小刻みに振り見上げている。
「本当に大丈夫なのか? この先が心配なのだが・・・で、例えばどんな能力が欲しいわけ?」
「デ●ボールかな?」
右手をアゴにあてドヤ顔をしている麻衣。
「お前、何と戦うわけ? 地球壊す気なの?」
ふっふっふと笑っている麻衣を見ながら右手で頭をつかむ。
「今日の俺はやりたいことがあるから一人で遊んだ来い、飛ばすぞ準備しろ」
「えっ、ちょっと待って待って。いきなり空中とかはダメだよ」
麻衣は両手で俺の手をつかみ手を退けようとする、そのまま麻衣を外に強制テレポートさせリヴァララに監視を頼んでおく。
『了解しました、人型偵察機を追尾させておきます』
「よし、ではこの浮遊都市について詳しく教えてくれ」
俺はベットまで進みベットへ背から飛び込み天井に浮いている銀の球体と向かい続けて合い話しかけた。
「知ってると思うが、浮遊都市とリヴァララは俺が貰う、よってすべての情報を開示してくれ」
『マスターより指示がありました、織田様は現在全ての情報にアクセスできる権限があります』
「出来るだけ手短に、そして簡潔に尚且つ解りやすくに頼む」
『現在織田様がいる場所が管理都市となっておます。
他の浮遊島への転移門、惑星全体の監視、系外惑星からの侵入監視、管理人の居住区が5千世帯、そして私が存在します。
他の浮遊島は、一般住民の居住区1万世帯が5島、食料生産用の農業島が7島、食料加工及び浮遊島の補修部品等の工業島兼在庫保管庫が4島で併せて約10万㎢です。
食料生産能力は20万人分が1年432日分確保されております、工業及び農業はロボットにより稼働しています、住人は何もしなくても生きていけます。
以上です、質問をお受けします』
ふむ面積は岐阜県程度か、そこにニートを20万人を養えるのか・・・
何もしなくても生きていけるとか、ここに地球人が住むとダメ人間が大量生産されるな。
「現在の食糧生産はどうしている? 生身の人間は居ないんだろ?」
『現在は生産を行っておりません、織田様の食糧は絶対零度保管庫から供給しております。
この保管庫は100万食が確保されており、永久保存状態となっております』
「1日3食として、えー・・・・」
『地球なら約936人が1年暮らせます』
「お・・おぅ、計算速いな・・・」
『直ぐに食料生産を始めれば20日後に20万人が居住可能な状態になります』
さすがに全部の浮遊島を地球に移動させるとなると、地上は大騒ぎになるな。
いや、でも欲しいな・・・・まぁ、なんとかなるか。
「では食料の生産を始めてくれ、人は住まわせないが地球に戻った時に売って資金源にする」
『了解しました』
「あとは、他の浮遊島を近くに持ってこれるか?』
『可能です』
「ではやってくれ」
『了解しました、ただし60日ほどかかりますが。よろしいですか?』
60日となると滞在期間が延びるな、俺がテレポートで持ってくるか大きさ的に無理かもしれないが一応試してみよう。駄目だったら駄目で待つしかないが、瑠偉達が滞在期間が延びる事に納得するかだ、今は関係が悪いしな。
適当にそれっぽい言い訳を考えておくか・・・
「とりあえず移動は進めておいてくれ」
『了解しました』
「さて次はリヴァララ、お前の事についてだ」
『では私自身を詳しく解説します。
私は約4万年前に作成さました、それから自分自身でプログラムの改良を行い処理の効率化を日々行っております。支配下に置いているロボットを使い自分自身の機械的改良や処理速度の増加を毎日行っております。
現在は銀河系最速最強を自負しております、以上です』
銀河系最強とか言ったよ、この人工知能は。そして意外に解説が短かったな・・・
大丈夫か? 地球に行ったとたん寝返ったりとかしないよな?
あと、聞くことは・・・
「では、支配下に置いておるロボットの特徴の解説をしてくれ」
『まずは汎用ロボットです、農業や工業の生産や都市の清掃などの雑務を行います。
偵察ロボット、人型と球体型があり空中浮遊と空間転移が行えて各種環境調査センサーを備えております。
戦闘ロボット、物理防御シールドの展開ができ右手に高熱型レーザー光線、左に集束電磁波攻撃が可能で高速で空中移動が可能です。
ナノロボット、空中浮遊型で大きさは100#nm__ナノメートル__#で温度・音波・電磁波・放射線・磁力線・重力波の調査が行えます。
ナノロボット生産用ナノロボット、大きさは20nmでナノロボットの生産を行います。
人型は合計で5万体・ナノ型は50億体です、制御はすべて私が量子通信でリアルタイム制御をしており自立行動は出来ません。
以上です』
「自立型じゃない? 人工知能を搭載していないと?」
『盗まれた時とかに技術の流出を防ぐ目的、人工知能が自我に目覚め反乱を起こすのを防ぐ為に全て私が一括管理し動かしております』
「50億体とかリアルタイム制御できるの?」
『問題ありません、リソースは1%にも達しません』
なんか、思ってたのと違うな・・・
某映画みたいに人工頭脳を搭載した人型ロボットと思ってたが中央集中管理か、都市にいるロボットはリヴァララの手足にしか過ぎないという事か…
今後ここで暮らすためには俺専用のメイドロボットが必要だな、自炊できないし銀の球体では味気ない。
「俺専用で汎用のロボットの作成は頼めるか? 出来れば人工知能搭載の自立型で」
『安全のため自立型は許可できません、それ以外なら可能です』
安全の為か、確かに自我に目覚めて食事に毒でも入れられたら厄介だな、仕方ないのでそこは妥協する。
「ではそこは譲るから、女形で身長は美憂位で髪型は瑠偉で色は銀色、胸腰尻は麻衣で頼む。装備は考えられる武器と防御を付けて通信機能は勿論、考えられるすべてのセンサーなどを付けて、考えられるすべての物をてんこ盛りで頼む・・・・顔は任せる」
『了解しました、かなり時間を頂きますがよろしいですか?』
「時間は気にしないから進めておいてくれ、まぁ気長に待つから」
『では今から開始します』
「では、他の浮遊島を見て回りたいから案内してくれ」
『その前に、出雲様から通信があります』
麻衣からか…どうせ力尽きたんだろう?
「と、とりあえず繋いでくれ」
「兼次ちゃーん、疲れて動けないよー」
銀の球体から麻衣の声が聞こえた。
「リヴァララ、ここに転送してくれ・・・」
しばらくすると青髪の少年ロボットと麻衣が部屋に現れる、部屋につくなり麻衣は「はぁ~、全身がだるい」と言いながらベットに飛び込み横になった。
完全に使いすぎだな、まだ1時間も過ぎていないのに・・・
「とりあえず休憩しとけ、俺は他にやることがあるから出かけるからな」
『それでは転移門より向かいます、ついてきてください』
俺は麻衣を残し部屋から出て行くと「いってらっしゃーい」と後ろから麻衣のやる気のない声が聞こえた。
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