41話 口論と言う争い
テーブルを囲み座る3人の女子はお互いに見つめ合っている、そして誰も話しかけられずにいた。
「うぁぁぁ、なんだ背筋に何か変な感じが・・・」
美憂は頭を左右に振り後方を見るが、当然そこには何もない。
「まぁ、それはいいとして麻衣、それは超能力ですね。いつからですか?」
瑠偉は強く両腕を強くテーブルに置くと「ドン!」と言う音が部屋に響きわたった。
隣で美憂が小声で「なんかスルーされた・・・」と言い瑠偉を見ている。
「ひいぃ、る…瑠偉ちゃん、怒ってるの? カルシウム足りないの?」
麻衣は目線を下に落とし人差し指でテーブルの端を突いては横に滑らせる行動を何度もしている。
「怒ってませんよ、貴方の人生ですので私は口出しはしたくありません。
しかし困ったことや悩みがあるなら相談する、そういう間柄じゃなかったんですか?」
「麻衣、織田さんと何かあったんじゃないの?
いつもより口数少ないし、やたら作り笑顔が多いし」
美憂は3人の中で一番座高が高いためか見下げるような眼で麻衣を見ている。
麻衣はそんな美憂を見てさらに肩を落とした。
「なんか、怖いようぅ、2人とも」
「兼次に何かされた、そうですね?」
瑠偉は椅子から立ち上がりテーブルに肘を付け麻衣に顔を近づける、麻衣と瑠偉のオデコ同士が密着した。
「る…瑠偉ちゃん、ちかいよぉー」
麻衣は瑠偉の両肩をつかみ瑠偉を遠ざける、両肩を押された瑠偉は静かに椅子に座り再び麻衣を見ると麻衣は目線を素早く逸らし話し始めた。
「じ、実は、飛行機でテレポートしている時に白い空間に飛ばされたら、そこに女神様が現れて・・・・」
「まーーい?」
美憂が話の途中で麻衣の右肩に手を置き下から覗き込んだ。
「ち・・・近いよぉー、え・・・えっと、クリプ●ン星人って地球に来ると超能力使えるでしょ? だから私も使えるかなーって思ったら使えた?」
再び瑠偉が「ドン!」と両腕でテーブルを鳴らした。
「ふぃぇぇ・・・え、えっと、何と言いますか、そのー・・・・兼次ちゃんに貰った」
「で、何か要求されたでしょう? 例えば、か・ら・だ、とか?」
瑠偉はからだを強調しながら麻衣の顔に近づけた、2人の顔圧に負けた麻衣は小さな声で話し始める。
「えーっと、セフレ? になっ・・・た?」
「麻衣、それはダメだろう、私たちは未成年だぞ?」
美憂は更に麻衣に顔を近づける、瑠偉と美憂の顔圧が麻衣を襲い麻衣の理性が限界に達した。
「あぅ、あぅ、ううう、わああああああああああああ」
麻衣は叫ぶと同時に手を広げ瑠偉と美憂の胸元に向けると、彼女達の体が回転しながら浮かび上がり天井すれすれの位置で止まった。
「魔法使いになりたかったの! 大賢者になりたいの! いいじゃないの、もー」
麻衣はかなり興奮して浮いた2人を見ている。
「麻衣、落ち着いてください」
「落ち着け麻衣、おろすんだ」
体が回転している瑠偉、美憂は腕と足をふりながら体制を整え、なんとか足を下にしてやっと安定した。
……
…
俺は温泉から出て体周辺の空気を竜巻状に回転させて濡れた体から水滴を振り落とす。
「さっむっ」身震いし早急に服を着てく、今頃あいつらはベットかな? テーブル付近にテレポートでいいだろう、俺はそのままテレポートした。
彼女達がいる部屋に現れるとすぐ目の前に綺麗な太ももが見えた、そのまま目線を上にあげると瑠偉のスカートの中身と瑠偉の見下ろす視線が飛び込んできた。
「なんだ、このラッキースケベは・・・随分豪華なお出迎えだな瑠偉よ」
俺はじっくりスカートの中身を拝見する、何度見てもいい絶景だ。
「あ、あ・・・しねっ!」
瑠偉は膝蹴りが俺のアゴをめがけて飛んでくるのが見えた。
「うぉおおっと」
素早く後方に移動して回避すると背中に何かやわらかい物があたった、振り向くと潤った目をした麻衣がいた。
改めて前を向くと困惑な表情の美憂とスカートを手で押さえている瑠偉が天井すれすれのところで浮かんでいる。
「なに、この状況は?」
「今覗いたことは大目に見ますから、まずこの状況を何とかしてください」
瑠偉は高揚してたのか肩で息をしている。
瑠偉と美憂を能力で固定し振り向きざまに麻衣のオデコに手を当て、そのまま目を閉じさせ睡眠をかける、そのまま浮かせ麻衣をベットに寝かせた。
テーブルまで移動し椅子に座り瑠偉と美憂をゆっくり床におろしす、瑠偉が発言する前に先手をうつ事にする、右手を瑠偉に向け喋るなの形をとった。
「言いたいことは解っている、麻衣が希望したことであり本人同士の問題だ、口を挟まないでくれ」
俺は瑠偉と美憂を交互に見ながら言った。
「でも、私たちは未成年だぞ?」
美憂が腕組をしながら俺に向かっている、出会ってから見たことない表情だ、どうやら怒っているようだ。
「日本の法律はそうだな、でもここは日本じゃない・・・むしろ地球ですらない。
それに法律を語るなら君達の戸籍は63歳となっている、問題はないはずだ。
それに本人同士の合意の上での恋愛関係、なんら問題ない」
美憂はまだ俺をじっと見つめている。
「セフレって聞いたけど?」
「セフレから始まる恋もあるんじゃないかな? 人それぞれだろ?」
「で、でも・・・」
美憂はどうも納得がいかない様子である。
「わかりました、本人同士の問題です。それに、終わってしまった事を争っても始まりません」
「いいのか? 瑠偉」と美憂が瑠偉の両肩をつかみ話しかける。
「ダメとは言えません、イイとも言えません、難しい問題です。しばらく見守りましょう」
「あ、ああ。そうしようか・・・」
「なんか、久しぶりに疲れました。寝ましょう」
瑠偉はベットに向かいそのまま横になった、美憂は俺の方をしばらく見つめていた、諦めたのか溜息をつくとそのままベットに向かった。
はぁ、何とかなったな、俺も寝よう。
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