33話 キプロス星の日常3


 砂浜は弓状に遠くまで伸びている、そこに麻衣は立っていた「わぁぁ、きれい…」と麻衣は遠くを眺めていた。下を見ると砂浜の砂は地球と同じ色をしている、砂の粒子は地球より荒く波がほぼ無く湖の側に立っているようだ。


「きれいな水、透明だよ」

「そうだな、透明だな・・・」


 そのまま見た通りに声が出た、俺は空を見上げる地球の月のような大きな衛星は見当たらなかった。水辺に近づき手を入れ少し舐めて見ると味がしない、どうやら淡水の海のようだ。

 俺の行動を見ていたのか麻衣が手に水をすくい飲む「うむ、旨い」とフーと息を吐いた。


「お前、いきなり飲むなよ。腹壊しても知らないぞ?」

「へ? 駄目だったの?」


「生水は飲むな! って教わらなかったのか?」

「そういえば・・・」


 麻衣は右手を顎に当てて考えこんでいる、リヴァララから海には生き物は居ないって言ってたので大丈夫だと思うが・・・


「やっぱり泳がなくてはな、淡水の海とか2度と体験できないぞ?」

「お一人でどうぞ! 脱がないからね!」


 麻衣は両腕をクロスして腕の服をつかんで脱がせられない様にガードした。

 服を脱ぐと日焼け面積が大きくなるしから保護バリアを張ることにする、右手を上げて空にバリアを張った。


「な、なに突然右手突き上げて? 一片の悔い無しとでも言いたいの?」

「なんで、ここで辞世の句を読むんだよ! 違うぞ日焼け対策のバリアを張ったんだ。

 つまり裸になっても大丈夫ということだ!」


「まさか! 駄目だからね!」


 麻衣は身構えるが俺は構わず麻衣を浮かせて海の方へ飛ばし強制的に海に入れた。


「わぁぁ、沈むよー」


 麻衣は足と手を動かして浮こうとしている、やはり淡水だと比重の関係で沈むのか。

 よし始めるか・・・


 ………

 ……

 …


「ひどいよ、三日に一回って言ったのに、今日もするなんてしかも水の中で・・・」

「ふー、よかったよ麻衣」


 麻衣に見ると麻衣は若干涙目になっている、ちょっとした罪悪感が沸いてきたが、まぁいいか…

 俺はスッキリしたからな。


「わあぁぁぁぁー、グレてやるぅぅぅーーー」


 麻衣はそう言いながら宙に浮いて沖の方へ向かって飛んで行った。


「おーーーい、遠くに行って迷子になるなよーー」と俺は大きめな声で言った。


 一応リヴァララに見張りを頼んでおこう。


「リヴァララ、麻衣を位置を監視してくれる?」

『了解しました織田様、先ほどの事件も極秘にしておきます』


「ああ、察してくれて助かるよ頼む」


 なんだよ事件って? まぁ今回は無理やり感があったから事件に見られても仕方ない。

 俺は横になって濡れた服を乾かすことにした。

 砂浜に横になって改めて環境を見る、気温は30度を超えているかな? でも湿度が低いせいかとても過ごしやすい、気化熱で体が冷えるが温まった砂の熱気で体が冷えるのを抑えてくれている、これなら30分ぐらいで乾きそうだ。


 暫らくすると麻衣が戻ってきた、右手で左の二の腕をつかみながら震えている。


「さ、さむい・・・」

「だろうな、濡れたままで飛ぶからだ、風が当たって寒かっただろ?

 横になって服を乾かせ、砂の熱気で温まるぞ」


 麻衣は俺の横で仰向けになる、見ると濡れた服が体にぴったり張り付いてメリハリのある体がクッリキリと浮かびとってもエロい姿を見せていた。

 俺の視線に気づいた麻衣はこちらを向いた。


「な、なによ?」

「なかなかの見ごたえのある姿をありがとう、と言っておこう」


 俺の言葉の意味に気がつき、わーーと言いながら俺に背を向け横向きになった。


「もー、エロ、エロ、エロ大王!」


 しばしの時間が流れ服も乾いてきたところで、と麻衣がこちらを向き小声で話しかけてきた。


「ねえ、今回も外でしてるけど…ベットでした方が……よくないかな?」

「部屋はダメだ、臭いで瑠偉たちに気づかれる可能性がある。

 ばれたら瑠偉や美憂の攻略に支障が出るかもしれないからな」


「瑠偉ちゃんは無理かと思うよ、なかなかフラグ立たないから。

 あと美憂ちゃんは絶対無理だよ恋愛する気ないみたいだから」

「困難は乗り越えるためにあるんだよ! 時間はたっぷりあるじっくり攻めるさ」


「かっこいい言葉だけど、目的がエロだからね!」


 と麻衣は俺を見ている表情がなぜが若干怒ってる顔だ、これはもしや・・・


「ふふふ、妬いたのか?」


 俺はニヤニヤしながら麻衣の顔に俺の顔を近づける、麻衣は顔を若干赤くして素早く体を回転させて俺に背を向けた。


「ち、違うから・・・そんなんじゃないから」と若干小声で麻衣は言った。


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