2話

黒炎君がゲームにハマる気持ちは痛いほどわかりますとも。



私だって、黒炎君を好きになる前は某乙女ゲーなんかもかじったりしたし。

でも、触れられないし、ゲームが終わったあとの悲壮感が....。


ゲームにはゲームで魅力的なことが沢山あるけど、現実で好きな人が出来たら、ゲームなんて二の次!


だからこそ、今は黒炎君一筋なのです。



それにしても、黒炎君のアカリちゃん病は重症だなぁ。

....ん? あ、いいこと思いついちゃった!



「黒炎君、ちょっとそのゲーム1日だけ貸してくれない?」



「なっ....俺とアカリを離ればなれにする気か」



「....」



黒炎君の意味不明な発言は放っておこう。

そうしないと次に進めそうにないし。



「違うよ。私もアカリちゃんの魅力に気付いちゃったっていうか....だから1日だけ、このゲームをしてアカリちゃんのことを知りたいなぁ~なんて」



あからさまな嘘をついてみる。



「そうか。お前もようやくアカリの良さに気付いたんだな! それなら今日だけ特別に貸してやる。特別にだからな? 明日には絶対返せよ」


「はーい!」



少し罪悪感はあるものの、そんな単純な嘘に引っかかる黒炎君は可愛い。



「貸してくれてありがと! じゃあ、また明日学校でね!」



「おう、また明日な」



私は黒炎君と別れ、家に帰ってすぐに、アカリちゃんを選択し、ゲームを開始した。

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