はつとうこう

@akakun

第1話 さや子

さや子は走っていた。


初登校で遅刻とは……注目されちゃうじゃん。

恥ずかしいでしょ、それは……。


明け方までツイッターをやっていたせいだ。

興奮して眠れず、ツイッターをやっていたらついに朝になってしまった。


しかし、恥ずかしい事がもう一つあった。

焦って家を出たものだから、靴下が左右ちぐはぐになっている。

一見、どちらも白いふつうの靴下なのだが、実は、左足は横にワンポイントの刺繍がある薄手のもので、左足のは無地でリブが太めな厚手なものだった。

白さ加減も左右で微妙に違う。

このミスには、家を出てからしばらく走ったところで、ローファーが脱げそうになり気づいたのだが、もう時間もないし、と思ってそのまま走り続けた。

しかし、駅へ向かううちにだんだん人が増えてくると、気になりだす。

やはりあの時、一旦帰って履き替えればよかった…… 。


とにかく、学校に行こう。最悪、靴下脱いじゃえばいいし。

初登校で素足に上履きも、それもそれで恥ずかしいけど……。

もう、どうすればいいのか分からないよ!

そうだ!

もしかしたら、それをネタに誰かが話しかけてくれて、早速友達ゲット!

となるかも……。と、今はポジティブに考えてみる。


そんなふうに思考を巡らせながら、さや子は曲がり角に駆け込む。

その時だった……。

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