アホリエイト

カニ太郎

第1話アホリエイト

《アホリエイト》


佐々木一郎、彼は29歳、K大出身の、一見リア充を気取っているアフィリエイターだ。

人は彼をニートという。


彼はついさっきGOUTUKUファイナンシャルとIB契約を終えたところだ。

GOUTUKUファイナンシャルとは、今度新規参入するFX会社である。

一般的にFX業者は口座を獲得するために、多くのアフィリエイターとIB契約を結んでいる。


佐々木一郎のIB 契約は、自分のサイトを通して口座を作ってもらったら、

取引額に応じてコミッションが貰えるというものだった。

最初は1lot (10,000通貨)往復0.25pips であったが、

口座残高が増えるとコミッションも増える契約だった。


この権利を得るために佐々木一郎は20万円を権利金として払ったが、

そんな初期投資すぐに回収できると踏んでいた。

なんたってアフィリエイトはライフタイムコミッションなのだから。

佐々木一郎はゆったりソファーに座り小さな声で呟いた

「後は欲の皮がつっぱった、自称勝ち組トレーダーが引っ掛かるのを待つだけだ、あっはっはっは」


ちょうどその頃、もっと大きな声で大笑いしてるブスが隣町にいた

真行寺友香というアラフォー独身デブだった。


彼女は、アフィリエイターを顧客として狙うアフィリエイターであった

ちょうど今、佐々木一郎というカモが彼女のサイトでアフィリエイト契約をしたところだった。


彼女は末端アフィリエイターが集めた口座を一定数以上まとめ、FX業者と1lot 往復0.05pips のコミッションが貰えるアフィリエイターだった

この特別契約を結ぶのに最初100万円の権利金を業者に払ったが、そんな初期投資はすぐに回収できるだろうと踏んでいた。

なんたってアフィリエイターの収入はライフタイムコミッションなのだから。


真行寺友香はゆったりソファーに座り

「さあ、欲の皮のつっぱった末端のアフィリエイターさん、私のために顧客を一生懸命集めておくれ、オッホッホッホ」

彼女は紅茶を一口すすった。


ちょうどその頃、鷹司正博というリア充気取りのアホがさらに大きな声で大笑いしていた。

彼は、アフィリエイターを対象にしたアフィリエイターをさらに大まとめするブローカーだった。


ちょうど真行寺友香というアホが彼のサイトで引っ掛かったとこだった。


彼は、大口のまとまった口座をFX業者に取り次ぐと

顧客の一人一人が1lot往復のトレードをする度に

0.03pipsのコミッションが頂けるという契約だった。

つまり誰かがドル円レート100円のとき、1万ドルを100万円で買ったとする

するとこれは先物取引だからいずれこの購入者は買った1万ドルを円に戻す

このとき1円値上がりして101円になってたら顧客は1万円の儲けとなる、そして彼には3%のコミッションが入るわけだ、つまり300円である

このように一つ一つは小さな額でも顧客がトレードする度にリスクなしで小銭が入る契約はまさに打出の小槌、金の成木をてに入れたようなものだった

この話を聞いたとき最初に1,000万円の権利金が必要だったが、

そんな初期投資はすぐに回収できるだろうと踏んでいた。

なんたって現代の打出の小槌アフィリエイトはライフタイムコミッションなのだから。


鷹司正博はゆったりソファーに座り

「さあ、額に汗して働く奴隷たちよ、俺のためにもっともっと働いておくれ、ギャハッハッハ」と笑ってワインをがぶ飲みした。


ちょうどその頃・・・・・


GOUTUKUファイナンシャルの最小スプレッドはドル円で50pips になっていた

とても中間で抜かれるスプが多すぎて、とても他の業者のような0.3pipsでは提供できないのだ。


こんな酷いスプレッドを提示するGOUTUKUファイナンシャルでFXをしようなどというトレーダーは世の中に一人もいなかった。

ただ、中間詐取を狙ったアフィリエイターだけが毎日増え続けていったのだった。



注: IBとはIntroducing Brokerの略となり、インターネットサービスにおけるアフィリエイターの表現に一番近いかと思いますが、FX業界では主にIBと表現され、IBで報酬を取る事をIBビジネスと言います。つまり、FX会社が提供するアフィリエイト(IB)プログラムであり、ライフタイムコミッションとして継続報酬が実現する報酬形態となります。海外FX会社を紹介する事でアフィリエイト(IB)報酬が発生します。アフィリエイト(IB)で長期的に「稼ぐ、儲ける」を目指している方は是非、IBビジネスにチャレンジしてみて下さい。

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アホリエイト カニ太郎 @kanitaroufx

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