46話 勇者side 3人の戦い
天城達勇者の前に現れたのはレジェンド級の魔物グランドドラゴンだった。
「逃げるぞ、天城。」
「こえーのか?小宮。」
「橘…君はどこまで脳筋なんだよ!戦うつもりか?やめとけ、死ぬぞ?」
「知るかよ、強くなるには倒すしかねえだろ。」
「そうだな、賢治の言う通りだ。」
「天城!君はリーダーだろ、ちゃんと考えてるのか?」
「…でもこの位の魔物は倒さないとあの二人は倒せないだろ?」
「馬鹿か!レジェンド級だぞ!?」
「…行くぞ!」
「おい!待て!君たちに倒せる相手じゃ…」
「うおぉー!」
「…くそっ!松山、江ノ島!二人は逃げてくれ!」
「でも…」
「二人は僕が無理矢理でも連れ戻す!…不本意だけどね…」
「わかった。でも私も援護する。」
「危険だ!」
「…大丈夫。菜々は私が守るから。」
「…ふん…勝手にしろ。」
「…指示は任せたわよ?小宮くん。」
「…ふん。」
そんな時無鉄砲にも突っ込んでいった橘にグランドドラゴンの尻尾が直撃した。
「ぐはぁ…!」
「賢治!」
「…だから言った。ストームウォール。」
「小宮!」
「…とっとと逃げるぞ。こんな化け物に勝てるわけないだろ?少しはその少ない脳みそを使って考えろ。」
「うるせえ!邪魔すんじゃねえ!」
「橘!」
「俺は…早く強くなって、あいつらの仇を取らなきゃならねえんだよ!」
「…馬鹿か君は?君が死んだら誰が仇を取るんだ?」
「俺は…あいつをぶっ倒す!」
「だから無理だ!まだS級に苦戦するレベルだぞ?力を合わせてSS級がやっとだ。レジェンド級をこの人数で相手にするなんて無茶なんだよ!」
「うるせえ!邪魔すんな!」
「くそ!待て!橘!」
「一緒に倒すぞ!賢治!」
「天城まで!おい!」
ドラゴンがブレスをはいた。
「うおぉー!ライトニングアクセル!」
天城は光を体に纏わせブレスに突っ込んでいった。
「馬鹿が!よせ!」
「…ぐ!うおぉー!」
しかしブレスの勢いはおさまらず…
「…く!くそ!うおぉー…」
「ちっ、トルネード!」
小宮は風属性魔法でブレスの勢いをおさめた。
天城はそのまま地面に落ちた。
「…くそ!うおぉー!」
「くそ!待てって言ってるだろ!」
「小宮くん!橘くんが…」
橘はグランドドラゴンの手に捕まっていた。
「橘…くそ!ストームフォース!江ノ島!松山!魔法であいつの注意を引いてくれ!」
「うん!わかった!フレイムランス。」
江ノ島は数本の炎の槍を、グランドドラゴンの目に向けて放った。
「…いいぞ。」
そのまま小宮はグランドドラゴンの橘を掴んでいる方の腕に斬りかかった。
ギン!
「ちっ…硬すぎる!」
「うおぉー!」
「ちっ…勝手に動くな天城!」
「賢治を離せぇ!ライトニングスラッシュ!」
バキン!
天城の聖剣は折れてしまった。
「そ、そんな!聖剣が…」
「離れろ天城。ウィンドスラッシュ!江ノ島!もう1発頼む!」
「うん!フレイムランス!」
グランドドラゴンが怯んでいる隙に江ノ島の魔法がグランドドラゴンの左目に突き刺さった。
「いいぞ!五月雨切り!」
腕を切りつけ、力が緩んだところを橘を救い出した。
「…引くぞ!」
「うん!」
「…天城くん!早く!」
「そんな…聖剣が…」
「馬鹿が…ちっ…」
小宮は天城を抱えて走り出した。
「そのまま階段に向かって走れ!」
「うん!」
「…ちっ…このままじゃ…松山!天城を任せていいか?!」
「…小宮くんは!?」
「足止めする!」
「そんなことしたら…」
「心配するな。僕が君たちのためなんかに死ぬわけないだろう?」
「でも!」
「…わかったわ。」
「そうか。なら…」
「…私たちであいつを倒しましょう。」
「ああ!…ん?何を言ってるんだきみは?」
「…階段を見て!」
階段はさっきの影響で埋まってしまっていた。
「嘘だろ…くそ!」
「どのみちこのドラゴンは何とかしなくちゃ!」
「ちっ…僕が突っ込む。援護…頼むぞ?」
「ふふ…うん!」
「…倒しましょう!」
「天城!君は橘を見ててくれ!」
「…」
「ちっ…使えない…とりあえず一緒にいろ。」
「魔法行くよ!小宮くん!」
「頼む!」
「ヘルフレイム!」
江ノ島の炎が、グランドドラゴンを包むように放たれた。
「松山!」
「…ええ!アイスフォース!」
小宮の剣に氷が宿った。
「身体強化!」
さらに防御、俊敏、攻撃を上昇させる。
「うおぉー!ドラゴン…スラッシュ!」
小宮の剣がグランドドラゴンの胸に刺さった。
「…頼む…!動かないでくれよ…」
「グギャアアアア!」
「…くそ!離れろぉ!」
ドラゴンはブレスをはいた。
「ファイアーウォール!」
「ストームウォール!」
「…魔結界!」
三人で壁を作り何とか防ぐことが出来た。
「くそ…これでもダメか…」
「…絶望的ね。」
「くる!」
「ファイアーウォール!」
「…魔結界!」
「トルネード!」
何とか防ぐことが出来たがこのままじゃジリ貧である。
しかし急にドラゴンの標的が変わった。
「ちいっ!天城!橘を連れて逃げろ!」
「…聖剣が…」
「どこまで使えないんだよ!…ウィンドボール!」
グランドドラゴンの羽にあたり、標的がこっちに戻った。
「最後の攻撃…行くぞ…これで無理なら僕達は死ぬ。」
「…ええ。」
「小宮くん。ありがとう。」
「何を言っているんだ。」
「小宮くんはやっぱりいつでも正しかった。」
「…」
「ありがとう。絶対に生き延びよう!」
「…それはフラグよ?菜々。」
「あ、あれ?」
「ふ…当然だ。君たちのためなんかに死んでたまるか。」
「…そうね。やりましょう。」
「…行くぞ!」
「うん!」
「…ええ!」
3人の最後の攻撃が始まった。
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