31話 アーメルについた!
目の前には大きな壁が広がっていた。
ロキア帝国もスフランもそうだったけどさ、なんでこの世界の国は進撃の巨〇並に大きな壁で囲まれてんの?
「…なあ、ずっと気になってたんだがこの大きな壁はなんの為にあるんだ?」
「それは、たまに巨人が攻めてくるからですよ。」
あ、ほんとに巨人なのね…
「へぇー。戦ってみてぇな。」
「な、何を仰っているのですか!頭は悪いですが、巨人の討伐ランクはSSですよ!」
「え、高!」
「無茶ですよ…」
俺たちはあれから特に問題があったわけでもなく、3人無事にアーメルにたどり着いていた。
「わぁ…ユウユウ!あれ見てあれ!」
「ん?」
「ほら!灯台だよ。後で見に行こ!」
「そうだな。」
「お二人はこの後どうされるのですか?」
「俺たちはとりあえず宿をとって、宝玉について調べる。街の観光もかねてブラブラするさ。」
「そうですか。私は人と会う約束があるのでここで失礼します。」
「そうか。短い間だったけど一緒に旅が出来て良かったよ。また一緒に魔物討伐しようぜ。」
「はい。」
そう言って互いの手を取った。
「ではユウ様、ミーシェ様。失礼します。」
「ああ。」
「ありがとね!バトラー。」
「はい。では。」
バトラーとは別行動になった。
「とにかく宿からだな。」
「うん。」
宿を探していたユウ達は無事に宿を発見することが出来た。
ミーシェが当たり前のように一人部屋を取った時はそれはちょっとどうだろうと思ったが、「ほら!経済的負担は少ない方がいいじゃない?」と言ったため口車に乗ることにした。しかし、お金はあるので余計なお世話であるが。
「腹減った。食堂行こうぜ。」
「…私の料理じゃやだ?」
「何言ってんだ?お前の料理の方がいいに決まってんだろ?でも折角来たんだしここの料理も食べておこうぜ?それにここまで歩いてきたんだから疲れてるだろ?」
「うん。わかった。」
こうして俺とミーシェは1階の食堂でご飯を食べることになった。
この街は周りが海な為、海鮮料理が主流らしい。
俺は普通の海鮮サンドを注文した。
「んんー…おいしー!」
「…な、なあ、ミーシェ…」
「ん?」
「…何個目だ?それは。」
「えーと…1、2、3、………15個目…かな?」
「…ずっと思ってたけどお前めっちゃ食うよな。」
「そお?普通だと思うけど…」
そう言えばミーシェの過去のことを聞いたあとのシリアスな空気の晩御飯の時も手作りハンバーガー100個くらい食べて空気をぶち壊してたな、こいつ。
「…よく太らないな。」
「何言ってんの?こんなのおやつおやつ。メインの海鮮ラーメン頼んどいたから。」
「お前が何言ってんだ!まだ食うのかよ!」
「足りない足りない。」
あれ?暴食のスキルこいつにやった方が良かったんじゃね?
ミーシェはその後10杯のラーメンを食べたあと、デザートのパンケーキを5皿食べた。てか食いすぎだろ!
「ふう…食べた食べた〜。美味しかったね!」
「ああ…そうだな。」
途中からお前が食ってんの見て吐きそうになったけど。
すると周りから声が聞こえてくる。
「おい聞いたか、勇者様が明後日到着されるそうだぞ?あんなことがあったのに勇者様は強いなぁ。」
「マジで?!超楽しみ〜。」
なんかこの世界の女子ってJKみたいだよな。
「あと、ロキア帝国襲撃と勇者殺害事件の犯人がわかったらしい。」
ふっ…また魔神軍に罪を着せちまったな…
「魔神の妹らしいぞ…」
「ブウーーー!!!!」
「な、え?ユウ?大丈夫?」
「ゴホッゴホッ!あ、ああ。」
え?何?ミーシェのことバレてんの?
衝撃的すぎて紅茶を吹き出してしまった。
「なんでもダークエルフの女らしい。」
「こわぁーい…」
「…ミーシェ、戻ろうか。」
「えー?まだ食べるぅ。」
「そんなこと言ってる場合じゃねえんだよ!…てかそれ全部お前の胃袋に入ってんだよな?」
ミーシェの目の前には平らげられた、パンケーキの皿がそれはまるで塔のように重なっていた。
「じゃなくて!いいから行くぞ。」
「わぁーん!パンケーキが私を呼んでるの〜。」
そんなこと言ってるミーシェを引きずって部屋に戻った。
「そんな慌ててどうしたの?」
「え?耳隠してるよ?」
「じゃなくてやったのがミーシェってバレてる。」
「?…知ってるよ?」
「は?」
「だって張り紙あったもん。受付に。」
「それを先言えや…」
「ご、ごめん。だからグリグリだけは…待って、悪かったから…た、助けてー!…い、いやぁー!いたーい!」
「で?」
「ううっ…しくしく…」
「…たく。まあ、誰もお前をミーシェだとは思ってないから大丈夫だとは思うが。一応用心しとけよ?」
「うう…うん。」
「それと明後日に勇者が到着するらしい。今回はそれまでに回収しちまうぞ。」
「わかった。…パンケーキ食べてくる。」
「…まて。何言ってんのお前?」
「え?だからパンケーキ…」
「ふざけんな!いくら使わせる気だよ。食事だけで聖金貨使ったのなんてはじめてだぞ?そのうえまだ食う気か?!」
「ご、ごめんなさい!調子に乗りました!」
「わかったらとっとと寝る準備しろ。」
「ラジャ!」
「おやすみな。」
「うん。おやすみ。」
「…明日灯台、見に行こうな。」
「うん!楽しみにしてる。」
そうして2人は眠りについた。
「へぇー、でかいなぁ。」
「だね。ねえ、登って見ようよ?」
「そうだな。景色が良さそうだしな。」
「うん。早くはやく!」
「はしゃぐな。危ないぞ。」
「へへへ…早く〜。」
「…ああ。」
次の日俺たちは約束通り灯台を登っていた。
街のシンボルらしく、ものすごく高かった。
頂上に着くとそこには望遠鏡のようなものがあった。
へぇー、以外に発展してんだなぁ。こんなものがあるなんてな。
「どうだ?何か見えるか?」
「うん!カモメが飛んでるー。可愛いなぁ。」
「そ、そうか。」
カモメ…カモメかぁ…まあ可愛い、のか?
「船も見えるよ。」
「そうか。森の方はどうだ?」
「誰かが焚き火してるみたい。煙が見えるよ。あと奥の方に…あ、見間違いか…」
「なにか見えたのか?」
「うん。巨人見みたいのが見えたけど見間違い。」
「…ちょっと貸してみろ。」
覗くと三体の巨人が映った。
「わぁ!見間違いじゃねえよ!」
「え?うそ!」
―――緊急警報!緊急警報!ただいま南東に三体の巨人を確認しました。至急頑丈な建物に避難してください!―――
マジですか…なんか面倒事に巻き込まれそうだ。
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