腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが
けん玉マスター
第1章プロローグ 平凡の終わり
平凡とは突如失われていくものである。
俺は藤山優。
突然だが、誰か助けてほしい。
俺は今人生最大のピンチに陥っている。
────漏れそうなのだ。
────う○こが。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
とても腹が痛い。このままでは時間の問題だ。
しかし今は授業中。先生に言おうにも今何故か先生が寝てる。自習だからって寝んな! ど陰キャで、オタクな俺は先生を大声で起こす勇気もなくその場で腹を押さえるしかなかった。
「大丈夫?顔色悪いよ?」
隣の席の女の子が話しかけてきた。この子の名前は江ノ島菜々。席替えの時に隣になり。何かと俺に話しかけてくる。容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群言わばクラスのマドンナ的存在だ。
「大丈夫。何も無いよ。」
「そお?てか、昨日のテレビ見た?面白かったよねー。」
突如クラス内が静かになり俺と江ノ島さんに注目が集まる。
それもそうだ。クラスのマドンナがクソど陰キャに話しかけているのだ。
周りの目が痛いよ…
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなった。
俺はその場でクラウチングスタートの姿勢に入った。(つもり)
足早で教室の外に向かう。だがあとすこしのとこで邪魔が入る。
「おい藤山!」
同じクラスの橘賢治だ。短気で怒りっぽい。どうやら江ノ島さんに惚れているらしいのでさっきのことが気に食わないのだろう。
「何?急いでんだけど。用があるならあとにしてくれ。」
「なんだと!いちいち馬鹿にしやがって!」
いやいやバカにしてないだろwほんと短気だなぁ。
「なんだと!コノヤロウ!」
あっ声に出てたっぽい。面倒だな。漏れそうなのに。
「冗談だってばwそれより通してくれ。」(邪魔だ。)
「邪魔だと!」
また声に出てしまったwそれより漏れるー!
「その言い方はないだろう。今のは藤山が悪い。謝るんだ。」
クラス委員長で責任感が強く甘いマスクでクラスの絶大な人気を誇る天城光佑だ。 めんどくせぇーーーー!
「ちょっと急ぎでね。口が悪くなっていた。謝るからどいてくれ。」
「それが謝る時の態度かい?しっかり謝るんだ。」
あぁーめんどい!
「俺が悪かったごめん。」
「それでいいんだ。」
その満足げな顔殴ってやりたいw
そう思いながら教室のドアに手をかけた時、同時に教室の床が眩く輝いた。
なにこれ?それより漏れるー。
何故かドアが開かない。
「ふざけんじゃねぇ!おらあああああ!」
俺はあかないドアを強引にこじ開けトイレに向かった。
ふいーーーーーー!スッキリ!
教室戻ろ。
あれ?誰もいない?ナゼ?移動教室だっけ?いや違うな。
そう言えばさっき教室の床が光ってたような。
もしかして異世界転移てきなやつだったのか?いやまさかーははは…
────マジで?
嘘だろ!俺も行きたかった!だって異世界だぞ?オタクの俺には理想の異世界だぞ?行きてえ!
そんなことを思っていると教室のドアが唐突に開いた。
「あれ?なんでまだ人がいるの?全員異世界に行ったはずじゃ...」
「だれだ?!」
「ドアが開いてる。まさか君結界を破ったの?」
「無視すんな!てか結界ってなんだ?」
「ははは!君凄いね~!僕の結界破っちゃうなんてすごいや!僕は神様だよ!」
────何言ってんのこいつ?こんなクソガキが神様?まさかー?
「ダメだろ?坊や学校に入ってきちゃ。帰りなさい。」
「いやホントだってば!」
しつこいガキだな。
「しつこいガキだな。って思ったでしょ?」
なっ、なんで分かるんだ?
「神様だからねー。考えていることくらい分かるよ。これで信じてくれるかな?」
「あ、ああ」
「じゃあ話を戻すよ。君のクラスメイトにはもう異世界に行ってもらってる。正確にいえば君がいないから時空の狭間ってとこかな?それで君にも行ってもらう。でも君は僕の結界を破ってみせたんだ。なにか褒美をあげよう。」
「褒美?」
「君にわかりやすく言うとチートってやつだね。」
チート?!マジで?!
「そうそうなんでも言ってよ。」
「なら魔法を使えるようにしてくれ!」
「魔法?そんなのチートのうちに入んないしクラスの子ももぅてるよ?」
「いいから頼む!」
「分かったよ。でもそれだと僕が納得いかないからステータス少し底上げして、特別なスキルをあげよう。これはお楽しみね!」
「ありがとう!」
「じゃあ名残惜しいけど行ってらっしゃーい!」
床が白く輝き俺の視界が奪われた。
これからが楽しみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます