みかたを変えたら楽しめるかも!~離婚しない夫婦たち~
あかり紀子
第1話
笑美を知ってる人は、ほぼ同じ質問をしてくる。それは、
「どうして離婚しないの?」
だ。
これは、世の中で結婚相手に愛想を尽かしている方が少しでも気持ちを楽に出来たらなぁと思い綴ったノンフィクション半分、フィクション半分の参考書。
どこがノンフィクションなのか・・・は、ご想像にお任せします。
本編では、【
「うちの方がもっとひどいわ!」とか「我が家はまだマシだったのね・・・」など読者の皆様の愚痴や不満を吐き出す際の【おかず】として読んでみてくださいね。
では、さっそく綴っていくとしましょうか。
笑美は結婚20年を過ぎた専業主婦。
高校の先輩後輩の関係だった夫と社会人になってから付き合い始め、そのまま結婚、現在に至る。結婚当初は共働きで、お互いの通帳はそれぞれ自己管理。何か大きな買い物がある時には相談し、時には夫の通帳から、時には笑美の通帳から、そして時には両方から・・・と毎度話し合い決めていた。
そのうち、子供が出来、笑美は仕事を辞めることにした。
結婚5年目のことだった。その後、子供が2歳の時に申し込んでいた保育園の入所も決まり、笑美は再び仕事を開始した。夫婦ともに仕事が忙しく、お互いを干渉することもなかったおかげか、特に何事もなく歳月が流れていた。
でも人は、何かのきっかけで相手の気になる部分を見つけてしまうと、もうそのことしか見ることが出来なくなる時がある。
笑美もそうだった。
夫の行動が腑に落ちなくなったのは結婚10年目の頃だった。
それまで、家のことは色々とやってくれていた夫が、気付くとひとつやらなくなり、またひとつやらなくなり、〈今って何をやってくれているかな?〉と考えた時、何も思いつかなくなっていた。
仕事と家事、育児の両立の中で明らかに笑美への負担は大きくなっていった。代わりに夫の負担はどんどん軽くなっていき、ついには仕事をするだけの役割になっていた。
こんな日々が続くと、人と言うものはストレスから常にイライラし、〈なぜ自分だけが・・・〉と言う思いが強くなっていくもの。このストレスから逃れるために、離婚を考える人は少なくないと思う。
でも、ストレスを溜めていることを相手に気付いてもらえていないと言う場合も少なくない。相手は伴侶がストレスを抱えていることなどまったく気付いていないのだ。
つまり、モヤモヤした気持ちを相手にぶつけ、離婚を切り出したとしても相手はその時初めて伴侶の気持ちを知るパターンも少なくない。
ここで、改心してくれる伴侶なら問題はない。
問題なのは、〈俺だってストレスを抱えてるのを我慢してるんだ!お前だけじゃない!〉と衝撃の告白をする場合。
笑美の夫は、とても面倒な性格だった。気に入らないことがあればすぐにイライラが態度に出る。自分の思い通りにならなければ、それはすべて相手が悪いと人のせいにする。機嫌がいい時と悪い時の分かりやすいほどの態度の急変。自分より強いであろう相手には文句のひとつも言えず、代わりに弱いものに当たり散らす。
笑美も数えきれないほどの夫の態度や言動に振り回されてきた。なので、今まで一度も夫への不満を夫本人には告げたことがなかった。
なぜ言わないのか?
ここからが、【みかた】を変える考え方。
もう一度整理しよう。
笑美の夫は、
・気に入らないと態度に出る。
・失敗は誰かのせいにする。
・ちょっとしたことで態度が急変。
・弱い者いじめの傾向がある。
これに加えるとしたら、
・指示待ち人間。
・“ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)”が出来ない。
・空気が読めない。
・人の話は実は聞いていない。
他にもあるが、とりあえず、これだけの性格の【みかた】を変えてみよう。
・気に入らないと態度に出る。 → 気に入らなかったことに気付いたら謝っとく。
・失敗は誰かのせいにする。 → 誰かのせいにされる前に笑美のせいにしとく。
・ちょっとしたことで態度が急変。→ 家庭内で機嫌を悪くさせないように根回しする。
・弱い者いじめの傾向がある。 → 子供に矛先が行かないように話を聞く。
・指示待ち人間。 → 指示で動くなら遠慮なく指示する。
・“ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)”が出来ない。 → ここはきっぱり諦める。
・空気が読めない。 → ここもきっぱり諦める。
・人の話は実は聞いていない。 → ここもきっぱり諦める。
誰だって、喧嘩なんてしたくないもの。ならば、自分が【みかた】を変えて相手を気分良くさせておけば、特に問題なく過ごせるものだと考える。
〈そんな我慢していたら自分が疲れちゃう。〉と思った方!ごもっともです。
ですが、【我慢ではなく自分の掌で相手を転がす】と考えてはどうでしょうか?亭主関白と言う言葉がありますが、あれって実は単純な男が優位に立っていたい願望だと思うのですよ。
だから、それを利用して、優位に立っている気にさせておいて、実は主導権は常に妻のものにしておくのです。この方法に慣れてくると、どんなに夫がわがままでも自己中心的でも〈あぁ、また優位に立ちたいんだね、はいはい。〉と考えられるようになるもんなんです。
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