愛は花

蒼井裕香

愛は花

タイミングというやつだろう。

気持ちを吐き出すことができた。

心が、軽くなったのを感じた。

人間なんだから気持ちが移ろいで当たり前。

そう言い聞かせていた。

それは間違ってはいなかった。

けれど、気持ちの生えている土まで、いっしょに移ろいでしまったわけではなかった。

もしかすると、いつか根こそぎ違う鉢へ移植されてしまう日がくるかもしれない。

不確かな心。不確かな時間、空間。

そんな不確かな、不安定の中で愛という花の種は育っていくのだろう。

あなたの土に、わたしの土に、わたしの気持ちが、あなたの気持ちが、そっと根を張るのだろう。

だいじにだいじに、水をくれるのだろう。

時にさぼったり、忘れてしまったりするのだろう。

晴れの日も雨の日も風の日も雪の日も、一喜一憂しながら大切に育てた花に実がつく。

新しい種を、花は、土は、授かった。

そうしてどんどん広がっていくのだろう。


愛は花のように。

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愛は花 蒼井裕香 @SaKuBoU_5221

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