ぬいぐるみを

刺した

ぬいぐるみは生きていないから

それは罪ではなかった

ぬいぐるみは

死ななかった

始めから生きていないからだ

わたしにはそれがわかっていた

思いっきり身体の奥まで深く突き刺した

その最中にぬいぐるみを見た

表情は何も変わらなかった

やはりな

思った通りだ

だが連中に言わせれば

わたしは狂っているらしいのだ

たかがぬいぐるみではないか

塩酸をぶっ掛けて溶かそうが燃え盛る焼却炉に放り込もうが誰にも文句を言われる筋合いは無い

だがその発想からして既におかしいらしい

心の中で馬鹿な奴らだと軽蔑した

頭の中に咲き乱れる花

精神病院の外側と内側

理解が出来ない

わたしは処刑されることになった

やればいいさ

徹底的にやればいいさ

てめえら来世で皆殺しにしてやるからな


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る