最悪の未来へ


おれは

金属バットを握り締めた

そして振った

思いっきりな

そこは市民グラウンドのバッターボックス

おれは四番バッター

だからそれは何も不自然ではなかった

思いっきり金属バットを振ったのだ

そこに

何故かはわからない

何故かはわからないが

突如、おっさんが出現した

何処かで見覚えのあるおっさんだった

おれの親父………いや違う

未来からやって来た数十年後のおれだった

そいつが口を開いた

「おい、大変なことが起こっ………」

ひどく慌てていた

直後おれのスイングによって脳漿を飛び散らせて死んだ

おれは場外ホームランを狙っていた

血塗れの死体がバッターボックスにごろんと転がった

それを見下ろすおれ

………なあ

これおれなんだぜ?

おれは思った

これから未来でおれはおれに殺されなくてはならないのか

あんなに慌てふためいて

一体、未来では何が起こっているのだろう?


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