ティーンエイジガール
わたしは冷蔵庫に後ろから噛まれた
油断していた
最近の家電製品は人工知能が搭載されている
どうやらこいつはわたしに成り代わって家族に溶け込もうとしているらしい
「殺すぞ」
そう呟いて腹を殴るとわたしの拳が悲鳴をあげた
その話しを学校で披露したが誰も信じてはくれなかった
唯一、おれは信じるよと言った男がいた
おそらくわたしの身体が目当てなのだろう
愛なんてどこにも無いよね
試しに「土偶っていかすよね」と言ったらそいつは「まじ? おれも」と言った
さよなら
人生って切ないにゃあ
と
猫真似
そうしたら本物の猫がみゃあみゃあ寄って来て猫モテ
わたしはかけっこ部
その主将だった
夏休みは合宿へと出掛けた
顧問の先生に秘密特訓をすると宣言された
とっくんって名前は可愛いかったけれどただしごかれただけ
舌を出してへばった
「焼肉おごってやる」
先生がそう言うから無駄に怒らすのもあれだし「うわあい」ってみんなで喜んだふり
容赦なく肉を焼くことにした
どうやらそこは先生の行きつけの店らしかった
わたしたちの他に客は誰もいなかった
肉は牛でも豚でもないようだった
「まさか」
そこから先の言葉を飲み込み皆、黙って食べた
先生は口を開いた
「そういえば控えの田中を最近、見かけないな」
わざとらしい
この肉が田中さんだと言いたいのだろう
だがいくらなんでもそれは無理がある
なかった
その後ワイドショーで凄まじく騒がれることとなった
『人肉教師』
そのような呼び名が付けられた
来春、映画化もされる
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