麗しの高校生活
めぐりゆく季節の中で
わたしは高校三年生だった
生徒会の会長を務めていた
「ホットケーキの匂いにつれられて視聴覚室からパンティー泥棒が姿を現しました」
「よしっ捕獲」
そんなことばかりやっていた
青春だよなあ
じたばたするパンティー泥棒にのしかかりそんなことを思っていた
学校の平和を守っているという自覚があった
修学旅行ではまくら投げで死者七人
それは例年より二人、少ないので良かった
比較対象のみが重要なのだ
去年よりもこの学校は平和になったのだ
夏から秋に変わってまた新しい学期が始まった
放課後、肌色のチンパンジーがわたしのもとへとやって来た
多分、愛の告白をするつもりなのだろう
そう思った
気が付いたらわたしはそのチンパンジーを絞め殺していた
「きみは悪くない」
わたしはそう言った
では誰が悪いのだ?
ああわたしか
チンパンジーの死骸がごろんと廊下に転がった
しかし過ぎ去ってみれば何もかもが良い思い出になるそんな予感がしていた
ほらっ
風はこれから巣立とうとしているヒナを優しく見守っているよ
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