獣たちの夜


今夜

誰かの息子

或いは

誰かの娘が

殺されるだろう

そしてそれは

ただの確率なのだろう

誰の意思も反映されていないだろう

安穏な夜が

続いたならばその分だけ次の日が………

さあ

お前は窓を閉めて

厳重に鍵を掛けろ

それでもやって来るときはやって来るのだ

震えながら

誰もが心の中で思っていることを口にはしなかった

隣りの家の子が死んでくれればいいと

そして今夜が無事に終わればいいと


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る