外の世界


窓を開け

外の世界を見た

久しぶりだ

「おれは引きこもり」

外気に向かってそう自己紹介をした

庭があった

そりゃああるよな

庭に兎たちがいた

そして人語で喋っていた

おれは速攻で窓を閉めた

ばたんっ

再び開けてみた

まだ兎たちは喋っていた

(いつから兎が喋るようになったのだろうか?)

それはまだおれが知らされていない情報だった

世界は変わった

置き去りにされたのはおれだ

窓を閉めて鍵をかけた

カーテンも閉めた

それでも僅かに陽の光が差し込んできたので

もう頭から掛け布団を被って寝ることにした

だが寝れなかった

「………」

おれは起き上がると押入れから猟銃を取り出し

窓の外の兎たちに向かって発砲した

弾丸は見事に命中した

「なんじゃこりゃあーーーーー!」

松田優作の物まねがうまい兎なんて死んで良い


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