第20話

桐山 諒 side


階段の時にも驚いたが、抱き抱えてからまた驚いた。

あまりにも軽すぎて。

女子ってこんなもんなのか?こんなに軽いものなのか?

身長のせいもあるんだろうけど。


「ちゃんと飯食ってんのかよ……。」


ちょっと心配になる。

今だけ軽くて細いなら、少食でもおかしくはねーよな。

……あれ、俺なんだか、まともに千坂と話ができていない気がする。

なんか、こいつが意識ない時にめっちゃべたべた触ってしまっているような……。

そう考えると一気に恥ずかしくなってきた。

さっきまで平気だったのに。

早く葵くんのところへ連れていこう。




ガラガラ


「葵くん、いる?」


シーン…………。


え、まじ?無人?どこいったんだよ、開けっ放しで……。

とりあえず、ベッドに寝かせればいいか?

幸いベッドは全部あいており、すぐに寝かせることが出来た。

この間に、保健室の来場記録と、体温はー、わかんねーな。

体調?は、悪そう。朝から顔色悪い。あとはわかんねーな……。


葵くん、いつ帰ってくんだよ……。

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