いま、あなたはなにを感じていますか?
三枝 早苗
第1話 世界一美しい君
僕の愛する女性は、僕が手を伸ばしても決して触れられないところにいた。
だから、僕は君をつくったんだ。
「博士、こないだの美女に連絡してあげないんですか?なんなら僕が魔法で回線を繋いであげますよ。」
小柄な魔法使い「ヨン」くんが、僕をあきれた目で見た。いいんだよ、と答えると彼の目に皮肉の色が浮かんだ。
「そうですよね。博士はそのルックスのおかげでいつでも女の子を誘えるんですから。」
「そんなことより、彼女のボディはどうなってる?」
「あぁ。完璧ですよ。30年前のオペラ座の女神とそっくりです、見てください!」
僕は、ヨンくんに案内されて実験室に入った。
僕は、寝台に横たわる女性の美しい裸体を見つめた。女性と言っても今は、容れ物にすぎないが。
僕は、家に、その女性もとい、容れ物を持ち帰り、ノートに実験結果を記入した。「これで、魔法の水を一滴垂らせば彼女は永遠の美を手に入れる。」
僕は、憧れの彼女にそっくりな容れ物に魔法の水を一滴垂らした。
すると、容れ物の頬に紅がさし、美しい肉体がキラキラと輝いて、容れ物に命が宿ったことを伝えた。
彼女は、僕の期待通りに美しい睫毛を震わせて、目を覚ました。
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