あの日々の私は幸せだった

嫁小豆

序章:『あのノート』...「このノートはね、思い出なの...」

窓から暖かい日差しが差し込んでいる。部屋には一人の女性とかごの中の青い小鳥だけ、


女性は窓辺にかかっている鳥かごに手を伸ばし、外へと一匹の青い小鳥を取り出した。


人差し指の先に止まり、取り出した女性へと好意の目を向けて小首を傾げている。


女性はその好意の目に答えるかのように微笑み、そして語り始めた。


「久しぶりにクローゼットの中を整理してたらね、懐かしいノートを見つけたの。」


その女性の声は爽やかで聴いていて自然と力が抜けるような優しい感じであった。


女性は、自分の長い栗色の髮を掻きあげてあらためて語り始めた。


「そうね....あれは十年前の頃の話。このノートはね、思い出なの、私が中学二年生ぐらいの頃のね。」


小鳥を見つめていたはずの目は外へ窓の外へ大空へと向き直している。


「もう十年たったのか....」


女性の片手にあるノートの思い出はめくられ始めたのだった。

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あの日々の私は幸せだった 嫁小豆 @ReiyaLove

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