くれいじーフレンズ

みずかん

症状1『二重人格』

わたしはフェネック。

わたしのなかには、もう一人のわたしがいる。


もう一人のわたしのためにもう一人のわたしが手紙を書く。


こっちのわたしは、アライさんが好きだ。


お宝を探しに行ったり、一緒にじゃぱりまんを食べたりする。それが幸せと感じる。


いつもアライさんがアホなことして失敗するのをバカにしつつも、楽しんでる。

しょうがないと差し伸べた手をアライさんが受け取るのが好きだから。


もう一方のわたしは、わたし自身知らない。けど、友達が教えてくれた。


もう一人のわたしは、かばんさんが好きで、アライさんやサーバルを嫌う。


かばんさんとお話していいと、とても幸せを感じる。だけど、かばんさんがお話しなかったり、サーバルやアライさんと話しているところを見ると、すごく嫌な顔をする。悪口を言ったりする。


かばんさんに頭を撫でてもらうのが大好き。


わたしはこれ以上のことをわたし自身知らない。わたしはわたしなのに、わたしのことがわからない。このせいで、みんなに迷惑をかける。ごめんなさい。


もう一人のわたしに、こっちのわたし

のことを知ってほしい。

ちゃんと読んでね。もう一人のわたし。







わたしはフェネック。


もう一人のわたしからの手紙を読んだ。

だから、返事を書く。


もう一人のわたし、気に入らない。

こっちがホンモノ。


アライさんと一緒にいるのがつらい。

なんであんなバカなことを毎回するのか。アホなのか。なにかのびょうき?

はやくしねばいいとおもってる。

もう一人のわたしはアライさんが好きなの?早く目を覚ましたほうがいいよ。


その点、かばんさんはかしこいし、

優しい。料理も作ってくれて、お話もしてくれる。わたしが甘えても怒らない。

かばんさんが好きで好きで好きでたまらない。かばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさんかばんさん


書くだけで、幸せになれる。


サーバルはウザい。

はやくこの世からきえてほしい。

わたしのかばんさんに近づくな。

そのマヌケヅラを引き裂いて、アツアツのお湯をぶっかけて、切り刻みたい。

消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ。


もう一人のわたしに、伝えておく。

これがわたし。本当のわたし。











わたしとわたしが

けんかするのはやだよ...。

わたしのからだはひとつしかない。


助けてよ。助けて。だれか。


ねぇ、ほんとうのわたしは、どっちなの?教えてよ...。ねぇ、教えて...?

















アライさん

かばんさん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る