赤い髪と目をもつ少女アガサ・ブラウンには、幼い頃から自分の周りを飛び回る【精霊】が観えていた。話しかけても会話の出来ない相手だが、何故か火にまつわるトラブルが多発するアガサには、【精霊】の観える自分は別の世界の人間ではないかと思うことがあった。
12歳の誕生日の夜。家事になった家の窓から跳び降りたアガサは、死んだ……はずだったのだが。初めて、【精霊】と会話する。
「おいら、ねーさん付きの精霊だ。名前はフレイ。よろしくな」
精霊使い【ソーサリエ】の学校に案内するという、火の精霊・フレイに連れられて、アガサは天空へ向かうのだが――。
◇
元気のいい女の子アガサと、自称・天才なフレイ。超悲観的なルームメイトのヒミコ、生徒総監であり頼れる先輩のジャンールイ。「氷の王子様」と呼ばれるアガサ憧れの人・ファビアン。バルバル国の王でありながら、アガサに一目ぼれしてしまうアリ……。
個性的な登場人物たちと、その精霊たちが繰り広げるドタバタが、とても楽しい。随所に盛り込まれたユーモア溢れる表現に(この作者さまの特徴でもあります)、時間を忘れて読みふけってしまいました。
アガサを巡る四角(五角?)関係の行方は? 彼女は、無事に学園に入学できるのか?(まだ入学していません) わくわくしながら、続きを読ませて頂きます。